エピソード
Sさんとの出会いは、もともとのお住まいの近くで弊社の建築現場をご覧になられた上で、私が以前運営していたホームページを見つけられてお問合せ頂いたところから。中々メールで色々とやり取りをした後、ご紹介した市場に出ていない土地の情報の中から「この土地が気になる」と当たりをつけられ、初回ミーティングに挑ませて頂きました。
広島県安芸郡は私自身のホームタウンで、市場に出ていない情報をいくつかご紹介できたことが、多少のゆっくりなペースの土地探しの中でご自身にとってピッタリな土地を探すことができたポイントです。
Sさんからのご要望

私の服やモノが多いのでとにかく収納多めでお願いします!
全体的に黒とかグレーでまとめたい!



家は大きくなくて良いです。
黒い箱型の家が好みです^^
コストの上限が決まっていましたので、建物自体は効率重視でコンパクトにまとめつつ、収納効率が良いプランニングを目指すことになりました。
敷地の状況
3区画の分譲地。東側道路ですが、更に東側には団上がりの駐車場。つまり東側からは見下ろされる関係。南側隣地は同じ分譲地の宅地でピッタリとくっついて家が建つことがほぼ確実。西側は少し段下がりになっているけれど掃出し窓や物干しスペースがあるので視線が気になるため開くことができない。という、一見開放的で良いように見えますが、4方向に開くことができない割合コンパクト(33坪)な敷地。しかも変形地…。周辺環境を考えずにプランニングすると、24時間カーテン閉めっぱなしになってしまう典型的な土地です。


設計コンセプト
4方向どの方向にも開くことができそうにないため、横に開くのではなく縦に開くことを考えました。1階に設けるLDKにはあえて掃出し窓を設けず、ハイサイドライト(高天窓)中心の窓配置として、周辺の家や通行人と窓自体はもちろん、視線をずらします。
加えて、吹抜けを設けて上部からの光を取り込む空間構成としました。通常、軒の無い家で南側や西側に面する大きな吹抜け窓を設けると、夏場日射を直で受ける場所は暑いですが、階段の配置で直射を交わします。同時に東・南・西側上部に大きな開口を設け、リビングにしっかりと光を取り込みつつ、リビングからいつも空を眺めることができるプランニングです。
外観デザイン


見下ろされる関係にある東側のファサード面には大きな窓を設けずプライバシーを守る外観計画。同時に「箱感」を強調しました。
箱感は大事にしつつも、袖壁を設けて単調になり過ぎないように配慮。
インテリア


南側に設けた正方形の窓は、隣家に建物が建築されてもある程度期待できる天空光を期待して設けた曇りガラスのFIX窓。上部から写真が白飛びするくらいの光が落ちてきます。




収納計画にもこだわり色々。階段下には小物入れを設けた。


リビングにタップリ収納スペース。モノが床に散乱しないように余裕を持った計画。
まとめ
4方向開くことができない土地の場合、通常は2階リビングとすると幸せになれますが、Sさんは生活スタイル的に1階リビングが絶対条件でした。となると次の選択肢は「吹抜け」です。吹抜けは、隣家の2階の窓との位置関係や夏の日射、冬の暖房効率など気を付ける点が多いので採用には注意が必要ですが、しっかりと窓計画・採光計画が為されていれば難しい条件の土地に居心地の良い空間を生み出すことができます。
DATA
完成年月 | 2021.11 | |
---|---|---|
敷地面積 | 110.98㎡ | 33.57坪 |
延床面積 | 87.73㎡ | 26.55坪 |
家族構成 | 夫婦 + 子ども1人 | |
工法 | 在来軸組工法 | |
内装(装飾) | さらし階段 | |
床材 | LIXIL|ラシッサD | |
その他 | クリナップ|ステディア |
PHOTO GALLERY
家づくりのご相談
家づくりに関するご質問・ご相談は気兼ねなくご相談下さい。(広島・山口県岩国エリアの方につきましては、家づくりのプランニングのご依頼も承ります)
コメント