JAPANDI(ジャパンディ)|Model House

東広島市西条町田口|MODEL HOUSE


敷地面積 | 173.89㎡(52.60坪)

延床面積 |  98.56㎡(29.81坪)

完成年月  2023年6月


分譲用モデルハウス

このお宅はモデルハウスとして使用した後に分譲(販売)する目的で建築する「分譲用モデルハウス」です。
私は、注文住宅のプランニングをメインにしていますが、注文住宅のためのコンセプトハウスやプロトタイプ的な意味合いで分譲用モデルハウスのプランニングやその監修の仕事もしています。この家は、東広島市と言って広島の中でも寒冷な地域(省エネ基準地域区分で5地域)での建築なこと、僕自身とプランナーが好きな建築家の伊礼智さんの手がけられる住まいのテイストを取り込みたいという2つがポイントとなってスタートしたプロジェクトです。

ジャパンディという言葉はプランナーが拾ってきた?言葉で、「日本と北欧をミックスしたインテリアスタイル」のことらしく、とても印象的な”強い言葉”なので分譲用モデルハウスのテーマとしては良いかな?と思い採用しました。

メインコンセプト

  • あまりコストを掛けずに断熱性能が高い家にする
  • 30坪以下のコンパクト設計(コストが高くなり過ぎないように)
  • 和と洋のテイストをうまく融合させた落ち着いた雰囲気にする
  • 最近のトレンドの間取り(共働き夫婦のための家事負担の少ない間取り)にする
  • 「嫌い」な人がなるだけ居ないデザインにする

最終的に分譲(販売)することを考え、志向性が強すぎたり、ハイコストになり過ぎると敬遠されてしまいがちなので、万人受けする方向性ながらも「普通じゃない」と思って頂けるような雰囲気づくりをメインコンセプトに据えました。 僕とプランナーのデザイン性の好みが近かったこともあり、インテリアスタイルは柔らかい色の木目とグレーカラーをミックスした色使いでまとめることに。また、以前W断熱+トリプルサッシ+αでゴリゴリの高断熱性能を目指してコストが嵩んでしまった反省を活かして、今回はコストをあまりかけずに高気密高断熱化を目指しました。

弊社のような中小企業にとっては、分譲用モデルハウスが性能・機能やデザインを試す良い試験場になります。数値的なものも実証できるので、その後の注文住宅のご提案にとても役に立ちます。

敷地の状況

南側6M道路・50坪の道路との段差のない整形地という恵まれた条件の土地。常々申し上げている通り、ピカピカの土地に飛び道具は必要ありません。全体にオーソドックスな間取りの構成として、道路や周囲との関係に配慮して窓計画を行っていく方法が手堅いです。しかし、南側道路の敷地で注意する点が一つ、

日当たりが良い南側に道路があるので、通行人の視線が気になるプランになりがち

という点です。

カーテンを閉めればいいじゃない?」と思われる方も多いと思います。当然それでも良いのですがですが、南側道路の土地は他よりも当然高額です。南側道路の最大のメリットである日当たりの良さをカーテンで遮ってしまっては土地に高い金額を払った意味が無くなってしまいますよね? また、日当たりの良い道路側である南側にお庭を取るケースが多いのも南側道路の敷地でのプランニングの特徴となりますが、これまた道路からの視線が気になって気軽にバーベキュー!…とはいかなくなってしまいます。

ですので、南側道路の敷地でのプランニングの際は、視線の出し入れについては注意が必要となります。

メインコンセプトを実現する細かな設計手法

ここからは、メインコンセプトを実現するために使った、細やかな設計手法についてご説明していきます。

あまりコストを掛けずに断熱性能が高い家にする

ご存知の方も多いかと思いますが、2022年に3つの等級が追加されたのが断熱性能。等級追加は実に23年ぶりで、2030年には新設された断熱等級5までを適用義務化(予定)しようという動きになりました。現に、国の住宅取得支援制度である「こどもエコすまい住宅支援(令和4年度補正予算・令和5年度当初予算)」や、これから始まる「質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(仮称)(令和5年度補正予算)」を受けるための適用条件に「ZEH住宅(相当の断熱性能)」が入っており、

補助制度の恩恵を受けたかったら断熱性能が高い家にしてね

と国も、断熱性能の高い家の建築・改修を促す方向に向かっています。
断熱等性能等級5…いわゆるZEH(経済産業省|資源エネルギー庁ページ)水準はそこまで厳しい基準ではありませんので、ZEH水準を満たしています!程度では、断熱性能が高い家と言うには少し心もとないです。しかも、この分譲用モデルハウスを建築する場所は私のホームタウンの広島県の中心部(6地域)に比べて寒冷な気候の東広島市(5地域)。ということで、今回は断熱等性能等級6を満たす家にしよう。と目標値を設定しました。
更に、「コストをあまりかけず」という条件も付加しました。断熱性能・気密性能はコストを掛けてしっかりと施工をすれば向上していきますが、コストとのバランスは大事です。ある程度の性能アップまではあまりコストが上がらないけれど、一定以上の性能にしようとするとコストアップが激しくなる分岐点がありますので、そこをしっかり見極めようと考えました。

結果、

  • 窓サッシ|YKK APW430(樹脂窓|トリプルサッシ)・一部 APW330(樹脂窓|ペアガラス)、一部APW511(樹脂窓・大開口スライディング・トリプルサッシ)
  • 玄関扉|YKK イノベストD50
  • 床断熱|ネオマフォーム 90mm(土間部分は基礎立上断熱ネオマフォーム50mm)
  • 壁断熱|アクリアネクストα 105mm
  • 天井断熱|アクリアネクストα 155mm
  • 構造用面材としてダイライトMS 9mm
  • コンセント・スイッチボックスへ防気カバー施工

主だった仕様はこういった感じになりました。気密性能と付加断熱は無しで、断熱性能だけでなく気密性能にも配慮した仕様です。
加えて、プランニングも以下の内容に配慮しました。

  • 窓はメインの南側に大きく、東西側は最小限に。必要以上の窓は取らない。
  • 軒出を設けて直射を室内に取り込み過ぎない。
  • 小さく建てて広く感じる家に。
  • 部屋を細かく間仕切るのではなく、なるだけLDK空間に各スペースを繋げる間取りに。

せっかく高気密高断熱の家にするのなら、それを活かせる間取りにするに越したことはありません。細々と部屋を間仕切るのではなく、LDKと洗面・脱衣室・廊下や玄関までつなげてしまうワンルーム設計とすることで、ヒートショックの危険性を軽減することもできますし、LDKが広さ以上にり広く感じるようになり、結果コンパクト設計に貢献してくれます。

30坪以下のコンパクト設計(コストが高くなり過ぎないように)

ここ最近の住宅・土地のコストアップが激しく、いかに狭く感じない(広く感じる)家をコンパクト設計するか?が設計者に求められてきています。一つの目安は30坪(約100㎡)。
この家は分譲用モデルハウスで最終的には販売する必要があるので、あまり広くプランニングし過ぎてコストが嵩んでしまうのはNG。そこで、必要十分な100㎡を目安にプランニングすることにしました。

和と洋のテイストをうまく融合させた落ち着いた雰囲気にする

建築実例をご覧いただいた方は意外に感じられるかと思いますが、僕が一番好きな家のテイストは「どちらかと言うと和が強い和モダン」です。

僕の自邸を始め、殆どシンプルモダン系の家をプランニングしているので、僕のことを箱型の家が好きな人、と勘違いされる方も多いのですが、実は和が強い和モダンが好きな人です笑。
好きな建築家は「伊礼智」さんで、セミナーにも参加させて頂いたり、「伊礼智の「小さな家」70のレシピ 」を始め、伊礼さんの著書を何冊も購入・拝読させていただいています。
ただ、和風住宅は弊社の得意とする分野ではないため、”好き”と”得意”をうまい塩梅でまとめ、和とモダン、そして洋のテイストを取り込んだ折衷のデザインを目指しました。

最近のトレンドの間取り(共働き夫婦のための家事負担の少ない間取り)にする

僕は数年前より、分譲用モデルハウスのプランニングに携わらせていただく際は、コンセプトの一つに1階である程度生活を完結できるようにという要素を必ずと言って良い程、取り込むようにしています。
僕も夫婦共働きですが、5年前に建築した自邸はバルコニー無しで1階に物干し&ファミクロを設けた点は大きな満足ポイントの1つになっています。2階の寝室で朝起きて、1階に一度おりたら夜に寝るまで殆ど2階に上がらないで良いというのはとても便利です。

「嫌い」な人が居ないデザインにする

デザインの好みは多種多様。全員が「好き」な家をデザインするのは不可能ですが、「嫌い」な人が居ない(少ない)家をデザインすることはできるのでは?と思います。分譲用モデルハウスなので、あまり尖り過ぎて「ムチャクチャ好き」な人は居るけど一般受けはしないという家はNGなので、「何かこの家いい感じ」と大多数の方に感じていただけるデザインを目指しました。

外観デザイン

「和のテイストが強い和モダン」そのものの外観デザイン。気を付けたのは「プラスチック感を出さない」こと。

1階の雨樋は「タニタハウジングウェアさんのガルバリウム製のHACO」。縦樋は鎖樋「ensui」。
何か懐かしい感じで「和」を感じますよね?
家の顔となる玄関周辺はリアルな木目のサイディングとセメントの質感と凹凸感が綺麗なSOLIDOを採用しました。

因みに、僕が外観デザインする上でいつも気を付けているのは「水平ラインを強調すること」です。特に軒の出がある家の場合、軒天のラインが綺麗に通っていると安定感が生まれます。

インテリア

玄関に入った瞬間に「和」を感じます。開けっ放しでの生活も想定して2枚引き戸にしました。ワーロン素材を使用した障子なので、穴が開いたりの心配もありません。

DKの天井の木格子も和を感じます。全体的に、白と木とグレーで全体をまとめて落ち着いた雰囲気のインテリアスタイルです。左手に洗面室・ランドリー兼ファミリークロークが繋がり、1階全体の雰囲気をLDKから感じることができる設計です。

行き止まりの無い大きな回遊動線。ワンルーム設計でとても広く感じますが延床面積を30坪以下にまとめています。

ダイニングと繋がるデッキスペース。軒の出で過剰な直射をカット。目隠しフェンスは高さ地面から2.2mで、LDKとデッキに対する通行人からの視線を完全に遮断。

リビングの窓を掃出し窓とせず、高さを抑えることでリビング全体の重心が下がり、ソファに座るととても気持ちの良い空間に。

ランドリー兼ファミリークロークは北東側。直射はそこまでないものの、LDKからの空調が効くので問題なく乾きます。

まとめ

分譲用モデルハウスは、その後の注文住宅建築のためのプロトタイプ的に色々と意欲的に新しいモノを取り込んで、プランナーやインテリアコーディネーターが外構や照明・カーテンや家具に至るまで全体をトータルコーディネートするのでバランス・コスパがとても良いです。
ですので、土地環境を含めてそのものズバリを気に入られる場合は、下手に土地を購入にして注文住宅を建築するよりも、分譲用モデルハウスを購入された方が良い選択となることも多いです。
注文住宅の良さは、要るものにはしっかりコストを掛けて不要なものはバサッと切り捨てることができるところにありますが、いい意味でも悪い意味でも分譲用モデルハウスは色々と満載です。


さておき、分譲用モデルハウスは常設の総合展示場に比べて

  • 現実的なサイズ感の家
  • 最新の設備が入っている(総合展示場の家は再々建て替えているわけではないので、実はそんなに最新設備満載の家…ではない)
  • 住宅性能も最新

なので、注文住宅建築のための参考には間違いなくなります。
弊社に限らず、分譲用モデルハウスを建築・販売している会社は多いので、家づくり計画の早い段階でご覧になることをおススメします。

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    この記事を書いた人

    住宅の基本設計と営業をする人|失敗しない家づくりのコツを発信|たまに写真や日常について|職歴:地場HM(大手HM・設計事務所勤務経験有)|実績:建築150棟・内基本設計100棟|1棟1棟丁寧に家づくりをさせて頂いております|間取り相談や家づくり・住まいについてのご相談は気兼ねなくご連絡下さい。

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