こんにちは! T.Nakataです!
昨日に続いて、ボツシリーズのケーススタディです。私の所属する会社は基本的には木造の会社で、私個人のペルソナとしては、技術系の営業マン歴20年で、設計事務所系工務店での勤務歴もあるので、プランニング力を特徴としています。ですので、特徴的な空間利用のスキップフロアを利用した提案も良く行います。
概要のご説明
ボツになったとは言え、このお客さまにもプラン的には気に入って頂いておりましたし、ネット利用に対しても喜んで快諾頂いております。
お客さまはお子さん1人の3人家族。40坪という一般的な広さの土地ながら3方角地で周囲からの視線が四方からある、メリットデメリットが混在する土地。しかも2方向に隅切りがあり、ホームベース型の土地と敷地を有効に利用することを考えると、配置の方法はある程度決まってくる土地形状でした。
プランニング
1階 平面プラン
2階 平面プラン
2.5階 平面プラン
まず、先に平面プランからご紹介します。
前提として、とっても広いLDKスペース、お子さんのプレイルーム、1階物干しスペースがお施主さまのご希望。それと、LDKと寝室の中間エリアに寛いで本を読める読書スペース。
開放感がある3方角地ながら、周囲の視線をカットしようとすると、窓をあまり設けることができないもったいないプランに。
そこで、恒例のアイデア出しを行います。
・スキップフロア
・ 1.5階ダイニングキッチン
・ 逆吹抜け
・ 中庭
・ 南側に水回り
・ 観賞用の庭と洗濯庭を分ける
ホームベース型の土地なので、自然と車の駐車位置は2カ所に分かれます。 こうすることで、家を配置する場所を真四角にすることができます。 駐車スペースから検討…鉄則ですね。
このお客さまも1階に洗濯スペース(干す)が欲しいというご希望でしたので、南側に洗面室&洗濯スペースを設けて鑑賞用のお庭に隣接しながらもリビングから見えない位置に洗濯用の庭を設ける、というプランニングです。
もう1つのポイントとして、中2階ダイニングキッチン。
リビング~その先の中庭への距離感を取ることができるので、とっても広々と感じる空間になります。
吹抜けの先の斜め上に見上げるハイサイドライトからは空を眺めることが。
スキップフロアプランの場合、注意点が1つ。「中途半端な空間をスキップさせない」こと。床を細切れにするので、逆に狭く感じてしまう結果になりかねません。
ダイニングキッチンという広々としたスペースを中2階に配置し、吹抜けを併用することで、とっても伸びやかな大空間を作ることができます。 因みに、キッチンの下は天井高1.05mのタタミスペース。 お子さんのプレイスペースとして利用できます。
スキップフロアを利用することで、普通の2階建て以上の「容積」を取り込むことができるので、その余裕で他のスペースを広く使うことができます(うまくプランニングできれば…ですが)。
寝室から小屋裏WICへ…。ワクワクするような空間構成。
ついでに外観デザイン。 ファサード面の窓はダイニング部分の1カ所、とってもシンプル。
複雑すぎるので、断面パース↓
一番右下は、外部収納(土間収納)です。 空間を余すことなく利用しています。
構造について
ところで、ここまで複雑なスキップフロアにすると、構造計算が恐ろしく複雑になります。耐震等級3を取るにも容易ではないと思います。私がご提案した際は、ウッドワンさんのJ-WOOD工法+制振装置の個人的に最強の組み合わせでご提案しましたが、耐震性への配慮が大事になるプランニングと言えるので注意が必要です(詳しいご説明はここでは割愛します)。
まとめ
スキップフロアのように、特殊な空間を作る場合は、シミュレーションがとっても大事。シミュレーションを3Dで検証しつつ、細かいアジャストを加えて間取りを完成させるべきだと私は思います。ここが、スキップ構造の家の成功失敗への大きな分岐点になると思います。
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