現役の住宅設計営業が家づくりで採用したい間取りと仕様7選

こんにちは!Design-TAKのT.Nakataです!
今回は、営業として150棟以上の家づくりをサポート・前設計として100棟以上のお宅のプランニングをしてきた僕が、自分なら絶対に採用したい間取りと仕様についてご紹介します
普通だったら見落としてしまいがちなポイントに絞ってご紹介しますので、家づくりの参考にしていただけたらと思います。

家づくりの正解は1通りではありません。僕自身の私見もかなり入っているのでご了承ください。

目次

採用したい間取りと仕様7選

僕は2019年に自宅を自社(地場ハウスメーカー|工務店)で建てました。営業と前設計の両方とも自分でやって、大工さんや業者さんも気心知れた方でかためたので、未だに満足度は高めです!
ただ、年月が経つにつれて「ここは正解!」「ここはもっとこうれば…」という部分も出てきたので、そこら辺ふまえてのご紹介です。

間仕切りをなるだけ設けない間取り

2019年に新築した僕の自宅は断熱性能は比較的低めです。大きな窓がありますし、当時は樹脂複合サッシを標準的に使用していたのでUA値0.6前後。
朝起きてリビングが15度を切ることはありませんが、今、家を建てるなら断熱材を厚めにして窓サッシは迷わず樹脂窓にしたと思います。

その点2022年に断熱等級5・6・7が新設され、お客さまは勿論、僕も含め腰が重かった住宅会社の断熱への意識にも変化が起こり、樹脂窓などの普及も進んできました。
伴い、間取りに対する考え方にも変化が生まれてきています。

LDK+リビング階段+吹抜けに大きなエアコン1台。各居室に1台ずつ。水まわりに小さな暖房機器。各部屋を細かく間仕切って暖房できるように、という考え方から、メインのエアコン1台を1階リビングに、サブエアコンを2階廊下に設ける、という考え方に変わっています。ただ、ドアを開けていない部屋は当然空調が効かないので、廊下と部屋の天井をすかすなどの工夫が必要となります。

これに関しては、それぞれのプライバシーに対する考え方や生活スタイルによって決めつけることができないので、僕自身は”おススメとしては”というスタンスでご提案しています。

右手の部屋(趣味室)の天井を空かしてLDK空間の空調を室内に取り込むように

以前はこういった感じの大きな吹抜けを複数個設けるような間取りは提案しにくかったのですが、最近ではむしろ積極的にご提案できるようになってきました。天井の一部を空かして空調を回すといった小技も多用しています。

万が一にも”空調のパワーが足りない!”ということが起こっても対応できるようにエアコンのコンセントを2階の廊下に設けておくと安心です。

1階で生活の大半が完結できる間取り

ランドリー兼ファミリークロークも備え洗濯動線は最短

施主さまからのご要望として最近最も多いのがこれです。

バルコニーの無い家をご希望される方の増加に伴い、洗濯する場所と物干しする場所が近い方が良い(1階に欲しい)…収納場所(ファミリークローク)も1階に欲しいといった具合いです。洗濯動線が1階で完結すると2階に上がる機会としては寝る時と掃除をする時くらいになりますので、ほぼほぼ1階で生活を完結させることができます

夏の直射をおさえる間取り

色々な家づくりのお手伝いをしていく中で、しっかりと軒の出を確保された窓からの光は気持ちが良いと感じます。特に夏の暑くて強すぎる直射は、軒の出で抑えることができます。
直射が当たらないと暗くなるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、朝日や冬の光は低い角度から入ってくるので軒の出があってもしっかりと屋内に入って来ます。いいことづくめなので、リビングのメインの窓には、できればしっかりと軒の出のある間取りを採用したいところです。

ただ、敷地面積に余裕がない中での建築や、シンプルモダンデザインの家の場合、深い軒の出を取ることが難しいと思います。

そんな時は、上の写真のように、大きなテラスバルコニーなどの下を軒の出と見立ててしまうのも手です。

どうして軒の出を出すのが難しい場合は、窓の高さ自体を低くおさえて直射の量をコントロールするのもおススメです。

カーテンレスで過ごせる間取り

オシャレな家・実際の広さ以上に広く見える家・くつろげる家を作る一番の方法は「カーテンレス」で生活できる家にすることです。

カーテンは装飾品なので、可愛い感じの家には合います。一方で、スッキリとした雰囲気になりづらくなりますので、シンプルモダンな家と合わせるのは難しいです。

また、カーテンを閉める家の場合、単純な部屋の広さ=感じる広さになってしまいます。対して、カーテンレスで生活できる家の場合、「抜け感」が出るのでとても広く感じます。

空・山・花 etc…。
普段の生活の中に自然を取り込むことができると、生活にゆとりを感じることができます。ポイントは「景色が”自然と”目に入ってくる」こと。「わざわざ」はNGです。

カーテンを閉めることで、景色を見るために「わざわざ」カーテンを開ける必要がでてしまいます。結果、「景色を楽しむのは最初の1カ月だけ」なんてもったいないことになります。

特に、土地の購入から家づくりの計画を立てる必要がある方に注意ですが、「眺望が良い」「近隣に家が建っていない(日当たりが良い)」土地は、その他に比べて価格が高く設定されているケースが殆どです。
折角、高いお金を出して日当たりや眺望が良い土地を購入しても、カーテンを閉め切ってその日当たり・眺望を自ら遮ってしまうのでは、もっと安価な土地でも良かったのでは?となってしまいます。

モノが溢れない間取り

収納にこだわった間取りをご要望される方が非常に多いです。ただ、モノを使う場所に近い場所に収納場所を設けないと「使ったまま出しっぱなし ➡ モノが溢れる」という結果に。
モノを使ったら、その場に直ぐに仕舞うことができるよう、集中クロークスタイルではなく、分散クロークスタイルをおススメします。
そのためには、「いつ・どこで・何を使うか?」を一つ一つしっかりとお施主さまと設計者が情報共有することが大事です。

外構計画と一体感のある間取り

外構計画とは、門塀や植栽、駐輪スペースなど家の周りの計画のことです。ウッドデッキやテラス、カーポートなども外構工事です。
僕は、間取りを考える際に外構計画もセットで考えます。

先述したカーテンレスで過ごせる間取りにも通じますが、外構は外構・建物は建物と分けて計画すると、実際の広さ以上の広さを感じることは難しくなります。外構もリビングの延長と感じる家は実際の広さ以上の広がりを感じるのでおススメです。

眩しくない照明計画の家

5年前に建築した我が家に不満は殆どありませんが、1つ失敗したなぁ…と思う点。それは「照明が眩しい問題」。
キッチンエリアにダウンライト4灯、ダイニングにペンダントライト3灯、飾り棚にダウンライト1灯、リビングにダウンライト2灯、テレビ上にブラケット照明1灯、階段部分にペンダント1灯、カウンタ―下の間接照明2灯の計14灯。20帖弱のLDKの中に14灯の照明は中々に数が多いです
とはいえ、普段メインで使うのはダウンライト6灯とペンダント3灯の9灯ですが、それでも個人的には眩しく感じます。

特にソファの上に設けたダウンライトはテレビを見る時に光源が目に入るので、特に眩しく感じます。(近いうちにグレアレスダウンライトに付け替えようと計画中です)。

一般的に天井高2.4mの部屋の場合、

天井高2.4mの場合、300~500ルーメン(lm)/帖が適正です

個人的には、基本照明は300ルーメン/帖くらいの”それなりに明るい”空間に、間接照明やスタンドライトを補助光として組み合わせるスタイルが好みですが、ここら辺は好みなので照明器具のショールームに行って体感いただくと良いと思います。

もう1点、「基本、ダウンライトは使わない」という照明計画の手法もあります。ダウンライトは、従来のシーリングライトに比べて直線的に光が落ちてくるので、光源の真下では数字以上に眩しく感じます。なので、ペンダントライトやブラケット照明、間接照明でまとめることで、光源が目に入らない照明計画とすることで「眩しくない照明計画の家」にすることができます

【まとめ】
❶ 自身の好みの明るさを数字で知る
❷ 光源が目に入らない照明計画

この2点に気を付けると後悔ない照明計画になります。

まとめ

注文住宅での家づくりは、知識と経験がとても大事になります。かく言う僕自身も、5年前と今では知識と経験の量が全く違うので家づくりの幅が全く違いますし、今と5年後でも多分全然違うのだと思います。
今は正しい・当たり前と思っていることでも5年後では当たり前でなくなることも多々あると思います。それは仕方ないとして大事なのは、家づくりの計画をされる際に、どれだけ情報を集め、ご自身に合った情報を取捨選択できるか?知識と経験が豊富でご自身の理想に近い家づくりを行ってくれる担当者に出会えるか?が家づくりの成功のカギになります。

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    この記事を書いた人

    住宅の基本設計と営業をする人|失敗しない家づくりのコツを発信|たまに写真や日常について|職歴:地場HM(大手HM・設計事務所勤務経験有)|実績:建築150棟・内基本設計100棟|1棟1棟丁寧に家づくりをさせて頂いております|間取り相談や家づくり・住まいについてのご相談は気兼ねなくご連絡下さい。

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