広島市安佐南区｜Ｇ様邸
敷地面積 ｜ 220.95㎡（66.85坪）
延床面積 ｜ 98.12㎡（29.68坪）
完成年月 ｜ 2022年12月
難航した土地探し
Ｇさんとの出会いは住宅建築から２年前。当初より自然豊かな土地での家づくりをイメージされていらっしゃいました。はじめに、「この土地はどうか？」と思われてプランニングさせて頂いた土地は、敷地の３分の１がレッドゾーンに入っている土地。通常防災面に問題がある土地は全力で反対させて頂くのですが、地形・整備された大規模団地にある土地であったこと・住宅の窓計画や構造計画で防災面の問題を解決できることなどの理由からプランニングを進めさせて頂きました。
結果として、その土地でのご計画が進むことはありませんでしたが、それから１年後、Ｇさんより「この土地はどう思いますか？」とご連絡をいただいたことにより計画が再スタート…するかに思われましたが、最近の土地探しのあるあるで、お問合せいただいた土地は既に契約済。
しかし、その後条件に違い土地をお探しすることができ、無事計画を進めることができました。
常に自然を感じる家づくり
当初より、Ｇさんご夫婦のご希望は明確で、自然を常に感じる家づくり。休みの度に田舎にツーリングに出かけられる程アクティブなＧさんは、友人を集めてホームパーティーができるスペースと、お庭に最低限の菜園スペース、日常生活の中に自然を自然な形で感じる家づくりをご希望されました。加えて、旦那さんからは「バスコート」、奥さまからは「ネイルの施術室」というご希望をいただきました。
60坪以上の南側が段差狩りの北側道路｜優等生の整形地
北側道路の南側段下がりの60坪以上の広々とした土地。ただし、道路から１ｍ程度地盤面が高いというロケーション。
南側隣地との段差は３ｍ程度あり、普通に１階にリビングを配置しても日当たり面では問題ないような印象ですが、何故か南側隣家のバルコニーが北側にあり、視線が気になりそうです。
更に、東西方向は隣家とフラットですが、隣家の窓が多く、どことなく落ち着かない印象です。
南側隣地との敷地の高低差が３ｍ強。１階リビングだと南側隣家のバルコニーと視線がかち合ってしまいますが、２階の床高＋αであれば周囲からの視線を完全にカットすることができそうです。よって２階リビングプランをベースとする計画にしました。敷地が60坪オーバーと広く、家庭菜園をされるスペースをご希望されていることもあり、リビングとお庭との連続性が取れる１階リビングプランとどちらが良いのか多少悩む部分もありましたが、リビングとフラットに繋がる10帖強にも及ぶテラスバルコニーを設けることで２階リビングプランのデメリットを相殺できると判断。２階リビングプランに確定しました。
また、東西方向への抜け感はないため、建物の形は南北方向に長い長方形に。東西方向には最小限の窓のみとして、南側からしっかり採光、眺望を取り込む計画としました。
Ｇ邸のハイライトは何と言っても眺望。南側段落ちのひな壇形状の団地にある土地の良さは、その「抜け感」。青い空と緑色の山の木々しか見えない景色は最高です。
LDKの南面は「壁一面が窓」のように感じるワイド感を強調しつつ、カーテンレスで生活できる開口計画としました。空間全体の重心を下げ、なるだけ南側の眺望を阻害する要素は排除。北側は周囲から見下ろされてしまうことになるため、窓を下端が高い位置になるように設置。もちろん、テラスバルコニーはＬＤＫとフラットに出入りできるように計画。
水まわり空間はリビングの横にストレートに固めました。トイレ・洗面室・脱衣室兼ランドリー・お風呂と繋がります。
Ｇ邸のもう一つのハイライトは玄関スペース。玄関入って正面に大きな窓を設けて、内外を曖昧につなげて広さ以上の広がりと自然を感じる空間にしました（写真撮影時｜外構工事未完）。２階リビングプランの弱点は１階の玄関～廊下エリアが貧弱になりがちなところ。その点Ｇ邸は「中廊下」型のプランを採用して、ネイルの施術に来られたお客さまの目に入っても恥ずかしくない整然とした空間にしました。
PHOTO GALLERY
コメント