下がり天井で空間に変化をつける|メリット・デメリット含めて実例をもとに考えます

こんにちは! T.Nakataです!

下がり天井は、空間に変化が生まれ部屋の雰囲気にグッとアクセントが付けられるのと同時に、全体的に落ち着いた雰囲気とすることができます。

上の写真は、キッチン(下がり天井)・ダイニング・リビング(吹抜け)と末広がりにリビングの天井を高くしていき、よりリビングに解放感をもたらすよう設けました。

このように、オシャレな空間を演出する目的以外にも、下がり天井を設ける「意味」は意外に色々あります。そこで、下がり天井のメリット・デメリットについて考えてみましょう。

目次

下がり天井のメリット

落ち着いた雰囲気になる / 窓サッシが天井まであるように錯覚させる

上の2枚は、ダイニングの天井を落としました。「落ち着いて家族の会話を楽しみながらご飯を食べたい」「ゆっくりコーヒーを楽しみたい」という方にピッタリな演出です。

サッシが天井まであるように錯覚させる / 空間を横長に感じさせる

部屋の幅と高さの比率で、幅が長い程、空間が広く感じます。狭小住宅を建築する際、天井高を低く抑えて空間を広く感じるよう演出する、というテクニックもあるくらいです。そこで、天井高を低く感じるように窓サッシの上端をおさえるように下がり天井を設けることもあります。これにより、天井まで窓があるように錯覚して広く感じる効果も生まれます。

空間を曖昧に分ける

玄関と玄関ホール、LDKとタタミスペースを「曖昧に空間を分ける」目的で下がり天井を設けることもあります。

床に段差を設けるとバリアフリー的に…というケースで、逆に天井に段差を設けて「ここからタタミスペースですよ」というような心理的効果をもたらしてくれます。

下がり天井のデメリット(注意点)

色々とメリットいっぱいな下がり天井ですが、いくつかデメリット(注意点があります)

☞ 空間が狭く感じることも(圧迫感を感じる)
☞ 建築コストアップ(多少…ではありますが)
☞ 形状によっては掃除が大変(埃が溜まる)
☞ 小口(横方向)の見え方をキチンと検討する
☞ フルハイドアを組み合わせる場合はドアの高さに注意する

 結構ありますね。上の3つはイメージしやすいと思いますので説明は割愛しますが、下の2つについてご説明します。

フルハイドアを用いた家で天井を下げる場合、他のドアと下がり天井部分のドアの上端が合わなくなります。上の写真では、手前の収納の扉は天井(2,500mm)までのドアですが、キッチンの扉は2,400mmです(しかもアウトセットのため開口はもう少し低くなっています)。

対策としては、扉を壁の色と合わせることで、建具高のズレが気にならないようにすることと、両方の扉を隣接させないことがあげられます。

玄関の天井を下げた例です。

小口(横方向)は黒の板張りにしています。これを廊下の天井に合わせたグレーや、壁の白に合わせてしまうとボヤッとした印象になってしまうので注意が必要です。 天井に視線を誘導する意味、廊下と玄関エリアの空間を曖昧にかつハッキリと分ける意味でも黒や玄関の天井の木目にして縁取りをしっかりとしてあげることが重要になります。

まとめ

いかがでしょうか?「何となくオシャレだから下がり天井を設けたい!」とリクエストを頂くこともよくありますが、その意味の理解が深まると、天井で遊んでみたくなりませんか?(最近僕は天井で遊び過ぎですが…反省)。間取りと平行して扉や床・天井の高さを検討すると、より豊かな空間づくりをすることができますよ!

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    この記事を書いた人

    住宅の基本設計と営業をする人|失敗しない家づくりのコツを発信|たまに写真や日常について|職歴:地場HM(大手HM・設計事務所勤務経験有)|実績:建築150棟・内基本設計100棟|1棟1棟丁寧に家づくりをさせて頂いております|間取り相談や家づくり・住まいについてのご相談は気兼ねなくご連絡下さい。

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