私の住む広島では、ここ数年で市街地の土地価格がとんでもなく高騰しています。
要因は色々ありますが、高齢化が進む中、郊外➡市街地への人の流れは続きますし、防災面で安心できる平地が少なく需要よりも供給が少ない状態なので、今後価格(価値)が下がることは考えにくい状況です。
更に、昨今の建築コストの上昇を考えても、普通の人が予算内で土地を購入して注文住宅を建築することが難しくなってきているのが現状です。
また、「程度が良い土地」は流通に流れる前に業者が買ってしまうので、建築条件の付いていない注文住宅を建築できる土地は益々少なくなり、良い(一般受けする)土地は販売開始から数日(!)~1カ月程度で売れてしまうことからも、ますます土地購入が難しい状況です。
100点満点の土地を探さない
土地の値段は、ほんのちょっとしたことで大きく変わってきます。駅からの距離・土地の形・向き(日当たり)など色々な条件により土地価格は変動します。
利便性が高く、前面道路が広く、真四角でちょうどいい広さの土地、そんな100点満点の土地はまずありません。ありますが、とても高価です。街中で40坪くらいの土地を土地のみのご予算で4,000万円を用意して探されても1年以上見つからない…ということも普通にあります。
ご自身に合った土地を見つける
100点満点の土地は人気ですぐに売れてしまいます。売れ残っている100点満点に「見える」土地は高すぎることが殆どです。
ですので、土地を探す際、求める点数を下げると良いです。
どういうことかと言いますと、「万人受けするいい土地➡ご自身に合った土地」に視点を変えて探します。
売れ残っている土地 ≠ 悪い土地
なので、万人受けはしないけれど、ご自身にとって必要と考える条件がある程度揃っている土地なら、買って良い土地です。
ご自身に合った土地の実例
「駅から近い土地」をご希望される方が多いですが「電車を年に何回使用されますか?」と質問させて頂くと「年に数回…飲みに行く時くらいかな?」という答えが返ってくることも多々あります。こういった方にとっては「駅からの距離」は条件から外した方が良いです。
飲みに行った時、毎度タクシーを使って家に帰った方が全然安上がりです。
前面道路が狭い土地は、建物計画によって車の出入りがしやすい土地にできます。
狭小地は、設計力で住みやすく日当たりの良い家ができる可能性がある最たる例ですね。(個人的には20坪前後くらいでも土地の形状によっては全然良い家ができると思っています)
上のCGは、道路斜線が厳しいというおまけ付きの11坪の土地に対する家づくりでご提案させて頂いたラフ案です。ロフトや勾配天井を駆使して容積を確保し「夫婦2人で住むには十分!」と賛同頂けました。
他にも、いわゆる「旗状地」という変形土地は街中によくありますが、縦列駐車でもOKもしくは駐車スペースが1台でも大丈夫な方についてはとてもコスパが良い土地となる可能性を秘めています(旗状地は一般的に整形の土地より約3割くらい割安になります)。
まとめ
売れ残りの土地でも「ダイヤの原石」のような磨けば光る土地は沢山あります。不動産屋さん目線で見るとイマイチだけど設計者目線で見るととても魅力的な土地というケースです。なので、ご自身がどのような暮らしを新居に求めるか?を整理して、建物のプランも含めて土地探しを行うと「割安な土地」を購入してご自身に合った暮らしを実現できます。
土地探しの前に住宅会社をある程度決めておくと良いと言われる所以ですね。
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