31坪の敷地に建つスキップフロアを有効利用したガレージのある家

広島市西区|T様邸


敷地面積 | 102.48㎡(31.00坪)

延床面積 | 134.28㎡(40.61坪)

完成年月  2025年08月


31坪という土地の面積がポイント

「不思議ですね…」毎度お打合せでTさんが口にされていた言葉です。
31坪と比較的コンパクトな敷地の中にTさんがご希望されたのは、

・ 完全に壁に囲まれた大き目なビルトインガレージ
・ 4LDK
・ 広々としたリビング(20帖目安)
・ランドリールーム
・ファミリークローク

僕がプランニングを行う際、土地面積25坪を一つの分岐点と考えています。25坪未満の場合は原則3階建て、25坪以上の場合は2階建てでまずは検討を始めます。Tさんの敷地は31坪。一見、全てのご要望を詰め込むのは難しいように感じますが、まずは2階建てで検討します。

他社さんのプランは全て3階建て。2階建てでは希望される部屋が全て収まりきらなかったそうです。しかしながら、ご提案のプランは2階建て手全て入っている。そこで「不思議ですね…」という言葉につながるわけです。

当初の計画では、ビルトインガレージは2台分のご提案でした。そこから、

・ ビルトインガレージは1台分でOK
・ シューズクロークが欲しい
・リビングに面するヌックが欲しい
・風水を加味して玄関の向きを変更

というご希望の変更を経て、最終プランが確定しました。

ビルトインガレージのある2階リビングの家にはスキップフロア?

3階建てが既定路線と思われていたTさんは、2階にリビングがあるプランに対して全く抵抗感がありませんでした。玄関やビルトインガレージという比較的大きなエリアと広々としたLDKを同一階に設けるのは、比較的コンパクトな土地でのプランニングでは両立しづらいです。
加えて、周囲からの視線が四方から降り注ぐ敷地であったため、1階LDKよりも2階リビングの方がプライバシーを確保しやすい。更に、「2階建て」の2階リビングの場合は屋根勾配を利用した勾配天井とすることで天井を高く取ることができるので、LDKは2階に設けることは既定路線でした。

ここで1つ頭をよぎったのが「スキップフロア」。ビルトインガレージは通常の1階に比べて床高が低いことに加えて天井を低くできます。通常、1階(ガレージ)天井から2階床までの間に空間が生まれますが、それを埋めることで自然とスキップフロアを作り出すことができます。

そこで、リビングを1.7階くらいまで下ろすことにより、

  • 勾配天井を用いずとも、リビングの天井高を3.0mまで引き上げることができ、よりリビングを広く感じるようにできる
  • トイレを1.7階に置くことで、1つに集約することができる(この点はそれぞれの価値観に寄ります)ため、より他のスペースに余裕が生まれる
  • 高気密高断熱・1種換気の特性を生かしたオープンスタイルの間取りになる(リビングの空調がある程度、全ての空間に行きわたりやすくなる)

というメリットが生まれるため、スキップフロアを組み込んだプランをご提案しました。

スキップフロアは「手段」であり「目的」とするのは危険

よく「スキップフロアがある家が良いです」とご要望をいただくことがあります。「1.5階の用途は何ですか?」と伺うと「特に決めてません」との返事。「では何故スキップフロアが良いのですか?」と伺うと「何となくカッコいいと思って」という方が多いです。
住宅会社側の事情としても「大手ハウスメーカーやローコストメーカーが真似しにくいから」という、よく分からない理由で提案に入れがちだったりもします。
確かに、スキップフロアについてはメリットも多数ありますが、

フロアを細切れにしてしまうので狭く感じる家になるリスク

もあることに注意です。
1階に2~3帖分くらいのファミクロ、1.5階に2帖分くらいの書斎スペース…というパターンが一番注意が必要で、1.5階の床高の設定に気を付けなければ、普通に2階建てにするよりも窮屈に感じてしまう家になる可能性があります。
スキップフロアは、デリケートな「手段」でメリット・デメリット双方を理解して、シミュレーションをCGなどでしっかりと確認してから採用を決められることをおススメします。

31坪の土地を使い切りつつプライバシーの守られた家

道路に向かって大きな窓はなく、プライバシーが守られた外観。比較的道路が広い角地で道路斜線制限が緩く、かつ用途地域による建蔽率の制限も緩いおかげで敷地に対して目一杯建てることができたことも、全てのご要望を詰め込むことができた大きな要因。

インテリア

2階リビングプランの時に注意したいのが玄関スペース。ついつい「玄関やホールは無駄」と考えてコンパクト(貧弱)に計画しがちですが、玄関スペースに少しだけ余裕を持たせることで、家全体を広く感じるようになります。

黒のアイアンが印象的なスケルトン階段。広いホールは階段を通して2階から光が届く。玄関スペースの天井を低くして落ち着いた色合いとすることで、ホール・リビングへと末広がり感を感じてより広く感じる。

3.0mの天井高の1.7階リビングの一角にヌックを設置。スマホを使うときなど、家族とつながっていながらも一人時間を愉しむ空間として利用。

2階はダイニングキッチンと水回りスペースに加えて1部屋。ダイニングテーブルもカップボードも奥さまが一目惚れしたグラフテクト製のキッチン。

「水回りがLDKと同一階にあるのはとても嬉しかった」と旦那さん。背面にはランドリールームも完備。

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    この記事を書いた人

    住宅の基本設計と営業をする人|失敗しない家づくりのコツを発信|たまに写真や日常について|職歴:地場HM(大手HM・設計事務所勤務経験有)|実績:建築150棟・内基本設計100棟|1棟1棟丁寧に家づくりをさせて頂いております|間取り相談や家づくり・住まいについてのご相談は気兼ねなくご連絡下さい。

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