家づくり迷子になる方の傾向と迷子にならないための対策|間取り編

こんにちは! T.Nakataです!

家づくりの計画の中で、施主さまの皆さんが楽しみに感じながらも一番迷う部分が間取りではないでしょうか?
これまで数百件というお客さまと一緒に間取りを考えて150棟以上の家づくりのお手伝いをさせていただく中で、間取り迷子になる方に、ある程度の傾向を感じています。特に最近は、膨大な情報を手軽に手にすることができるので、余計に迷子になる方の割合が増えてきているように感じましたので、迷子になる方の傾向と迷子になった時の対策についてご紹介いたします。

この記事は以下のような方におススメです

  • 間取りづくりを行っている最中で、絶賛間取り迷子中の方
  • これから家づくりを行うにあたって、家づくり迷子になりたくない方

では始めます!

目次

間取り迷子になっている方の特徴

❶ 「敷地を活かす」という概念を無視して間取りを考える

間取りを考えるにあたって、お施主さんのご要望をもとに間取りを考え始めると…失敗確率が爆上がりします。
冗談みたいな本当の話ですが、敷地を1度も見ることなく敷地図とグーグルマップでサッと現地を確認するだけで間取りを書き始める設計者も結構な割合で居ます

本屋さんに行けば「暮らしやすい間取り集」とか「間取りの〇と×」とか…「すごい間取り集」とか、もの凄い数の間取りを見ることができます。
「この間取り良いじゃん!真似しよう!!」と参考にされる方も多々いらっしゃることでしょう。

…ですが、これまた失敗する原因になりがちです。

土地探しに時間がかかるでしょうから、何となくの土地を想定して、とりあえずの間取り作りをしてみませんか??
予め間取りを一度作っておくと土地が見つかった時にラクですよ!

僕的に、全くもって謎なトークですが、結構こう言うことをお客さまにご提案する住宅営業マンが居ます。

「敷地が変われば間取りが変わる(一から考え直す必要がある)」

という、間取り作りの一丁目一番地が分かっていないのかな? とすら思ってしまいます。

ともあれ、こう言った提案は皆さん自身の貴重な時間の無駄になりますので、受けないようにしましょう…。

…話を戻します。

敷地が変われば間取りも変わります。 具体的な例を挙げていきます。

・ 土地の南側隣地に3階建ての建物が建っている
 ➡ 2階リビングプランにする
 ➡ 吹抜けを設ける
 ➡ 南側をあきらめて抜けのある方向にリビングを設ける|抜けを活かす

・ 周囲の視線が気になる
 ➡ 中庭を設ける
 ➡ 2階リビングプランにする

・ 敷地のサイズに余裕がない
 ➡ 2階リビングプランにする
 ➡ スキップフロアを取り入れる(間違いではありません。狭小住宅こそスキップフロアが活きてくることも多々あります)

・ ”抜け”のある敷地。眺望の良い土地
 ➡ 東西南北を無視してでも”抜け”や”眺望”のある方向にリビングを設ける

・ 希望の建物に対して少し広めな土地
 ➡ 平屋にする

このように、土地の広さや周囲の状況によって間取りのベース(平屋?2階建て?2階リビング?北側リビング?)から変わってきますので、まずは建築予定地に立ってみて、

一番気持ちの良い場所にリビングを設ける

これを一番に考えて間取りを考えると、間取りの軸がブレブレになり辛くなります。

「気持ちの良い場所が見当たらない」場合は、空を見上げて360度見回してみましょう。少しでも「抜け」があれば、それをガッツリと取り込む方法を考えると、「2階リビングが良い!」「1階リビングで吹抜けが必要!」といったように、間取りの骨格が見えてきます。

間取りを自分で考えすぎる

住宅展示場に来場されるお客さまの中に、一定数「ご自身で考えられた図面」を手に色々な住宅会社に

この間取りで建てることはできますか!?
この間取りで見積もりを作ってください!

足を運ばれる方がいらっしゃいます。

一見、とても良いお客さまに見えるので経験の浅い営業マン・若手の営業マンは喜び勇んで見積もり依頼をそのままお受けするのですが、99%「お互いにとって」良いお話になることはありません。

これは、誰が悪いという話ではないのですが、家づくりのプロセスがマズいと思います。

間取りを自身で考えられる方の中でも、そのまま建ることができるくらいのクオリティの方もいらっしゃいますが、どこまで行ってもお客さまは素人。
特に建て替えの方は、今、現に住んでいるので敷地のことは自分が一番よくわかっている!という自負もあられると思いますが、その点を差し引いても、敷地・お施主さまの現状の生活スタイルを加味して、フラットな目線から間取りを考えるプロの知恵・経験を利用しない手はありません。

要望(だけ)を細かく担当者に伝え過ぎる

これも良くやりがち(お施主さま側も担当者側も)ですが、家づくりのご要望をリスト化して、ご要望「だけ」を細かく担当者に伝えるのは、

  1. 建物が(必要以上に)大きくなってしまう
  2. 家全体としてバランスの悪い提案になってしまう
  3. 要望は全部入っている……けれど面白味がない

といった弊害が出てしまいます。

大事なのは「何故そのご要望を持たれているのか?」という背景を詳しく伝える(伺う)こと。

例えば、

シューズクロークが欲しい!

というご希望の方がいらっしゃるとします。

承知しました!
シューズクロークを設けますね!

…これはOUTです。

シューズクロークには、1WAYと2WAYの2パターンあり、適正サイズも用途によって変わります。
子どもさんが外遊びする物やゴルフバックなど大き目なものを収めたい場合は1WAYにして収納力を高め、玄関にも下駄箱の下台を設ける必要がありますし、
玄関に靴が散乱するのを避けたい場合は2WAYにしておかえり動線を作り、かつ動線的なロスを作らない位置に設ける必要があります(無駄な動きを増やす位置に設けると、結局シューズクロークから入らず玄関に靴を脱ぎ散らかす…という結果になることも。ここら辺は、お施主さま皆さんの性格・習慣と相談が必要です)

このように、

シューズクロークが欲しい!

と言うご要望一つにしても、

何故シューズクロークが欲しいのですか?
ご家族の現在の習慣は?(普段下駄箱に靴を収めていらっしゃいますか?揃えて靴を収められていますか?)

といったご質問が必要となるわけです。

  1. 複数他社に効率的に間取り作成・見積もりを依頼しようとされるお施主さま
  2. 経験の少ない設計担当
  3. 御用聞きタイプの設計・営業担当
  4. 営業担当がご要望を伺い設計担当にその要望を伝える建築会社

以上のパターンに当てはまる方が陥りやすいのがこのパターンです。

将来のことを考えすぎる

将来足が悪くなったら2階に上がれなくなったらいけないので、1階に将来寝室として使える和室が欲しいです

このように、将来のことを考えて間取りのご要望を伝えられる方もとても多いです。

将来のことも見据えて間取り作り…とても良いことだと思います。が、考えすぎてしまうのは考えもの。

近い将来親御さまと同居する可能性が高いとか、現在のご年齢が50代~60代の方なら「将来のために1階に和室」も良いと思います(現実問題、介護のことを考えると洋室の方が良いケースが多いですが…)。しかし、以上のことを20代の方が心配して無用に広い建物になり予算オーバー…は考え物。40~50年先に使うための部屋に貴重な予算を割く必要は低く感じますし、ホントに足が悪くなった場合はリビングに介護用ベッドを置いての生活も考えることもできますし、介護施設に入るという選択肢もありますし、住宅を売却して住処を変えるという可能性もあります。

不確実な遠い将来よりも、現在の強いご要望・生活に合ったご提案の家を優先した方が良いのでは?と(個人的には)思います。

「オシャレな家を建てたらオシャレな生活ができる」は幻想

これは、もの凄く批判を受けてしまうキケンがあるので、言葉を選びながら申し上げたいのですが…。

インスタグラムをはじめ、SNSで見るようなオシャレな家を真似したらインフルエンサーのようなオシャレな生活ができる! という夢をお持ちの方は割合多いですが…幻想です(汗)

家に帰ってソファの上に上着を脱ぎ、ダイニングテーブルにバックを置いて、キッチンでお茶を飲み、とりあえずソファに座る。

と言った行動パターンの方がいらっしゃるとします。

この習慣は、

断言します! 新居でも変わりません!

ですので、上の習慣のにとって大事なのは、

家に帰ってソファに辿りつく前に上着を脱ぐクローゼットを設け、普段使うバックを置いて置ける棚や収納(扉は無いのが理想)を設けるのが、
モノが散乱しづらいLDKを保つための最適解になります。

ここでも大事なのは、SNSの真似をするのではなく、ご自身の生活スタイル・ご要望・性格を設計者と共有することです。

まとめ

最近は、インターネットやSNSで手軽に情報を拾うことができるので、かなりな知識をお持ちのお客さまも増えてきました。インスタなどで「これは!」という情報を収集され「こんなことできますか?」とご希望をいただくこともとても増えてきました。
ただし、ここで大事なのは「その情報の真偽」「その情報がご自身と合っているか?」「他のご要望と両立できるか?」「ホントに必要か?」など、トータルのバランスをいかに取るか?
家づくり担当者の家づくりの情報リテラシーが低いと、ここら辺がなおざりになってしまい、後悔タップリの家が完成! …見た目は良いけど住みにくい! と言ったことになりかねません。

家づくり迷子にならない一番大事なポイントは、家づくりの情報リテラシーの高い担当者を見つけ、信頼して一緒に満足のいく家づくりを進めていく、という気持ちであると思います。

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    この記事を書いた人

    住宅の基本設計と営業をする人|失敗しない家づくりのコツを発信|たまに写真や日常について|職歴:地場HM(大手HM・設計事務所勤務経験有)|実績:建築150棟・内基本設計100棟|1棟1棟丁寧に家づくりをさせて頂いております|間取り相談や家づくり・住まいについてのご相談は気兼ねなくご連絡下さい。

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