こんにちは! T.Nakataです!
住宅業界でも2021年の大きなニュースは色々ありました。従来から言われていた職人不足による人件費高騰に加えてウッドショックや半導体不足により住宅の建築コストは大きく上がりました(一度上がったコストは残念ながら下がらないと思います)。
加えて、今年(2022年)より、断熱等級が最高等級が4➡5に引き上げられ、今後6・7が出てくる可能性も見えてきたことも大きなニュースでした。これにより、これまでの業界内では標準的な「樹脂複合サッシ(フレームの屋外側がアルミ・屋内側が樹脂の窓)」が「樹脂サッシ(フレームの屋内外両方が樹脂の窓)」が当たり前の時代となり、近い将来トリプルガラスが当たり前…な時代が来る可能性も見えてきました。
性能の底上げがされるのは良いことではありますが、「つられて今後、建築コストがますます高くなる」ことは間違いなさそうです。
標準化(普及)すれば安くなる?
樹脂サッシが当たり前(標準化・普及)すれば安くなるだろうから、建築コストが上がらないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。私もそう思います! …でもそうならないとも思います(どっち)。いわゆる樹脂アングルサッシ(アングルのみ樹脂でフレームは屋内外ともアルミの窓)から樹脂複合サッシに標準が切り替わった時、同等の金額で入ってきました。ですので、今後、樹脂サッシが標準になれば樹脂複合サッシと同等の金額になると予想します。
ただ、個人的に少しだけ困るのが、樹脂サッシの最大高さ寸法が2,500㎜取れない事。…標準天井高を低くしようかな…。
イニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(維持費用)
大分話が反れました(汗)が、窓サッシを例に主題に戻ります。
今後はさておき、2022年1月現在では、樹脂アングルサッシと樹脂サッシでは、イニシャルコストは樹脂サッシの方が数十万ほど高いです。ですが、窓性能は確実に上がる(UA値ベースで0.05程度下がる)ので冷暖房費は下がります。
ここで、初期費用の上昇額と年間光熱費の差×居住年数を比較して採用の可否を考えるのも一つの判断材料です。
もう一つ例を挙げると、屋根材。 コンクリート瓦(スレート瓦)と瓦屋根の差額は1棟で大体20~30万円ですが、瓦は基本的にメンテナンスは必要ありませんが、スレート瓦は10年くらいでメンテナンスが必要となり、耐久性があるものでも30年程度でメンテナンスが必要になります。30年の耐久性があるスレート瓦を選ばれたとして、30年より短い期間しか居住されない方にとってはイニシャルコストが安いスレート瓦が生涯コストが安くなり、30年以上居住する予定の方にとっては瓦屋根の方が安くなります。
自身の生活スタイルに合わせるのが大事
ただ、上記の「生涯コスト」をもとに判断すると色々と判断は楽になりますが、同時に色々な弊害も生まれます。
窓サッシで言うと、樹脂サッシの方が家に帰った瞬間暖かいという快適性は多少のコスト差にはかえられませんし、蓄熱暖房機を導入して家中暖か(導入コストはサッシの価格差以下、でも光熱費は高め)という選択肢もあります。
屋根材で言うと、瓦屋根は重いのに対し、軽く屋根勾配も寝かせることができるので、防災的にはコンクリート瓦の方が有利ですし、シンプルモダンな雰囲気の家が好きな方にとっては瓦は重厚感が出過ぎるためコンクリート瓦の方が合います(ガルバリウム鋼板の方がより合いますが)。
このように、視点が変わることで見えてくる世界が変わってくるのが家づくり。ご自身の生活スタイル・建てたい家・どんな生活をされたいか?に合わせた判断を重ねていくことが、家づくりの成功の秘訣です。
まとめ
高い家は良い家だ!と言えないのが住宅の難しいところです。床材を例に挙げると、無垢床材の中で木の温かみがある針葉樹のパイン(松)は安価ですが人気です。冬に冷たくなりづらいという点においては高価な床材よりも優秀です。節がしっかり見える表情が好き!という方も多いです。高性能な家の方が快適ですが、コストとの兼ね合い・考え方もあるでしょう。
皆さまそれぞれの家づくりへの考え方があると思います。生活スタイルがあると思います。その考え方や生活スタイルに合わせた家づくりにじっくりと付き合ってくれる建築業者を探すことが家づくりを成功させる秘訣です。
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