センスのいい家は外観から!?家をオシャレに見せる外観デザインのまとめ方

こんにちは! T.Nakataです!

注文住宅でマイホームを建築するにあたり、住宅の性能や住まいやすさ(間取り)と同じくらい大事なのが内外観デザイン。内外観デザインは美しさだけでなく、機能性・周辺環境との調和、そして住む人の満足度の持続に大きな影響を与えます。
特に外観デザインは、仕事で疲れて帰宅した際に「建てて良かった」とある種の”癒し”と感じていただける大事な要素なので、ポイントをしっかりと抑えてオシャレに見える外観デザインを目指しましょう。

目次

家をオシャレに見せるポイント

外観デザインをオシャレに見せるポイントをご紹介します。すべてを取り入れるのは難しくても、それぞれのポイントを意識して優先順位をつけていくつか取り入れていただくだけでも、外観デザインがうまくまとまります。

コンセプトを決める|「理想の暮らし」から逆算する

目指す雰囲気・テイストを決める

まずは、目指す雰囲気やテイストを決めることから始めましょう。

例えば、僕が得意とする上のようなテイストは「シンプルモダン」

こちらは「ナチュラルモダン」と「和モダン」の要素を持つ家です。

このように、家の外観には色々なテイストがあります。

  • シンプルモダン
  • アーリーアメリカン
  • 和モダン
  • ホテルライク
  • ナチュラルモダン
  • 純和風
  • カントリー
  • クラシックモダン  などなど

無数にあります…笑

これについては完全に「好み」の部分となり、良い悪いではないので、設計者の得意分野を考慮しつつ色々な事例を見て、ご自身の好みを見つけてください。

家のテイストは間取り作りにも大きく関わってきますので、最初に方向性を定めておくことが重要です

※ 「外観デザインはどうにでもなりますので、まずは間取りを決めましょう!」という設計者が一定数居ますが要注意!後からでは、どうにでもならないことが多いです…

家族構成やライフスタイルとの相性を検討する

ただ見た目がオシャレなだけでなく、その家に住む人の暮らし方に合っているかも外観デザインの重要なポイント。具体例を挙げながら解説します。

❶ 子育て世代の家族に合う外観とは?
・ 特徴|安心感・温かみ・清潔感があるデザイン
・ 理由|子どもが外で遊ぶことや、家の前に過ごす時間が多いため「見守れる」「安心できる」雰囲気が大事
・ おススメのテイスト|ナチュラルモダン・木目のアクセントや明るい色味の外壁・開放感のある玄関ポーチ

❷ 共働き夫婦向けのスマートな外観
・ 特徴|シンプル・メンテナンスしやすい・スタイリッシュ
・ 理由|忙しい毎日でも手入れがしやすく、機能性も求められるため
・ おススメのテイスト|モノトーンでまとめたシンプルモダン・フラットな外壁・メンテナンス性の高い素材・玄関まわりの照明・宅配BOXの配置も含めた設計

❸ 自然志向・アウトドア好きの家族に合う外観
・ 特徴|自然素材との調和・開放感
・ 理由|外と中のつながりを大事にされるため、外観も自然に馴染むように
・ おススメのテイスト|ウッドサイディング・ガルバリウムと木の組み合わせ・植栽の多い外構計画・土間や広めの玄関

ここに挙げたのは一例ですが、外観デザインは単なる”見た目”ではなく「この家でどう暮らしたいのか?」を可視化したものであり、家族の人となりを感じられる外観こそ、センスのいいデザインと言えます。

「見せたい家」より「暮らしたい家」をベースに考える

よく「好みはこのテイストだけど将来飽きがくるかも」という声を伺います。果たしてそうでしょうか?
「洋風な家は若い人好みな家なので…」という声もよくいただきますが、これは変な話で、欧州ではご高齢の方でも当然に洋風な家にお住まいです。
その声の大半は、将来年齢を重ねた時に「他人からどう見られるか?」を気にされてのもので、軸がご自身にありません。
「好み」は将来変わらないかもしれません。無難にまとめた、あまり好みでない外観デザインを将来気に入ることは少ないと思います(慣れはすると思います)。
であれば「今・好き。100%好み」にこだわった「暮らしたい家」を目指すべきであると思います。

素材選びで印象がガラッと変わる

外観デザインをうまくまとめるには、素材にこだわることも大事です。
使用する素材によって、外観のイメージは全く変わりますので、素材の選択は大事です。

窯業系サイディング

セメント質と繊維質を主原料にし、高温・高圧で成形した外壁材。現在、日本の戸建て住宅で最も多く、約7割のお宅で使用されています。
窯業系サイディングは初期コストが安く、メンテナンスコストがかかるというイメージを持たれている方も多いですが、全く同じ柄でも表面に施しているコーティングの差によって耐久性が全く違ったりするので、ご自身のお宅に使用しようとしている(使用されている)のがどのような製品か?を確認することが大事です。

メリットデメリット
デザイン・カラーバリエーションが豊富
 ・タイル調、木目調、石材風など多彩な柄があり、
  住宅のテイストに合わせやすい
 ・カラーラインナップも充実しており、意匠性が高い
コストパフォーマンスに優れる
 ・同等の見た目のタイル外壁などと比較すると価格が安価
 ・施工性が良く工期も短めなので、トータルコストを
品質が安定している
 ・工場で生産される規格製品のため、製品のばらつきが少なく、信頼性が高い
 ・防火性にも優れ、国の防火基準もクリアしている
メンテナンスやしやすい
 ・リフォーム市場にも多く出回っており、張替えや塗り替えが比較的容易
定期的なメンテナンスが必要
 ・表面の塗装が劣化するため、再塗装が必要(※特に廉価品は10年程度)
 ・目地(シーリング)部分の劣化も進行するため、打ち替えが必須
経年劣化により色褪せやヒビが生じることがある
 ・特に南側・西側など直接日光が当たる面では色褪せやクラックが出やすい
水を吸いやすい構造(吸水性)
 ・ひび割れなどから水が浸入すると、凍害や膨れの原因になる
 ・防水処理の品質が施工時の仕上がりに大きく影響する
高級感にはやや欠ける
 ・あくまでセメント製品で、様々な素材を模した素材のため、
  本物のタイルや木材と比べると質感が落ちる

ALC(軽量気泡コンクリート)

主に大手ハウスメーカーで使用されているALC。「軽量気泡コンクリート」とも呼ばれ、セメント・生石灰・石膏・アルミ粉末などを原料とした多孔質(細かな気泡がある)構造の外壁材。高温高圧で蒸気養生して製造されます。

メリットデメリット
軽量で建物への負担が少ない
 ・同じ厚みのコンクリートより軽量(1/4~1/5程度)
優れた断熱性・遮音性
 ・気泡構造により断熱性能が高く、夏涼しく冬暖かい
 ・音を吸収しやすく、遮音性も良い
不燃性・耐火性が高い
 ・ALCは国土交通省の不燃材料に認定されており、火災に強い
 ・火事の延焼リスクを抑える外壁材として安心感があります
耐久性が高い
 ・適切なメンテナンスをすれば50年以上使えるとされている
 ・腐食せず、シロアリ被害の心配もない
吸水性が高く、防水対策が必須
 ・気泡構造ゆえに水を吸いやすく、防水塗装(外壁塗装)が定期的に必要
 ・ひび割れからの水浸入に注意しなければならない
材料費・施工費ともに高め
 ・製品価格も窯業系サイディングより割高
 ・専門的な施工技術が必要なため、工事費用が上がりやすい
デザインの選択肢が限られる
 ・意匠性に乏しく、デザイン・色・模様は窯業系より制限される
 ・表面塗装により多少アレンジできるが、重厚で無機質な印象が残る

塗り壁

職人がコテやローラーで外壁に塗料や左官材(モルタル・漆喰・ジョリパッドなど)を塗り仕上げる工法。近年はモダンにもナチュラルにも対応できる材料として人気です。
大手ハウスメーカーの中では住友林業が塗り壁のイメージが強いです。

メリットデメリット
デザインの自由度が高い
 ・コテ跡・模様・カラーの調整が可能で、オリジナルの質感や表情を出せる
 ・無機質な素材感から、南欧風・和風・ナチュラル系までテイストに幅がある
継ぎ目がなく美しい
 ・サイディングのような継ぎ目や目地がないので、
  スッキリとした一体感のある外観になる
 ・クラック(ひび割れ)に強い素材を使えば高級感のある仕上がりに
メンテナンス性に優れた素材もある
 ・近年は汚れが付きにくく、耐久性の高い塗り壁材も登場
 ・再塗装や部分補修がしやすい
クラック(ひび割れ)が起こりやすい
 ・下地や施工不良、地震などでクラックが発生することがある
 ・特にモルタル下地は乾燥や振動により小さな亀裂が入りやすい
職人の技術力に仕上がりが大きく左右される
 ・左官仕上げは職人の技術やセンスに依存するため、
  経験の少ない業者だとムラになる可能性がある
 ・良い職人はコストも高め
汚れやすいタイプもある
 ・漆喰などは表面がザラザラしているため、雨垂れやカビが付きやすい
 ・定期的な洗浄や再塗装が必要
材料費や施工費が高め
 ・一般的なサイディングに比べて材料費・施工費ともに割高
 ・特殊仕上げはコストアップの要因になる

ガルバリウム鋼板

アルミ・亜鉛・シリコンでめっりされた鋼板で、耐久性・耐食性に優れた金属系壁材。無機質でシャープな見た目が特徴で、近年は屋根材としても良く使用されます。

メリットデメリット
高耐久・高耐食で長持ち
 ・錆びにくく、耐用年数は25~35年と長め
 ・海沿い・山間部など過酷な環境でも比較的長持ち
軽量で地震に強い
 ・外壁材の中でも非常に軽く、窯業系サイディングの1/3の重量
デザイン性が高い
 ・シャープで都会的な印象の縦ストライプ・黒やグレーが人気
 ・和モダンからインダストリアル、ナチュラルまで幅広く対応
メンテナンスの手間が少ない
 ・塗膜が高性能であれば、15~20年は塗り替えが不要
 ・カビ・コケの心配が殆どない
キズ・凹みに弱い
 ・薄くて硬いため、衝撃で凹みやすい(ボール・雹など注意)
断熱性・遮音性が低い
 ・金属のため熱伝導率が高く、外気温の影響を受けやすい
 ・対策として断熱材付きガルバが普及している
 ・雨音や風の音が響きやすい
携帯電話がつながりにくくなる
 ・ガルバリウムの外壁は、携帯電話の電波を反射し、
  受信状況に影響を与える可能性があると言われています

この他にも、木・SOLIDO・タイルなど色々な外壁材がありますが、それぞれメリットデメリットがありますので、しっかりとそれぞれの特徴を見ながらデザインにこだわって使っていきましょう。

色使いでセンスを格上げする

色数は3色以内に絞る

ファッションにも共通する部分ですが、色の数を増やし過ぎるとゴチャッとした印象になりやすいので注意が必要です。
原則、色数を3色以内に絞るとまとまって見えやすく、それ以上増やす場合は上級デザインセンスを求められます。
また、イメージとしてはベース色を70%、アソート色を25%、アクセント色を5%の割合で配分するとまとまって見えます。

センスを格上げする色の組み合わせ例

  • 濃いめのグレー系 × 木目 × ホワイト
  • ベージュ系 × アイボリー × ブラック
  • グレージュ × 木目 × ホワイト
  • ブラック × グレー × 木目

色分けをする時の大事なポイントは、「平面で色分けしない」こと。
素材・厚みが違えば大丈夫ですが、同素材を平面で色分けすると安っぽくなるので注意が必要です!

外観デザインに必要ないものはなるだけ隠す

住宅の外観デザインを台無しにしてしまう「デザインにおいて必要のないもの」は意外と見落とされがちです。美しく計画した外観デザインも、こういった要素があるだけで安っぽく見えたり雑然と見えたり、野暮ったく見えてしまうことがありますので、なるだけ隠す(正面に来ない)ように気を付けましょう。

  • エアコンの室外機・配管(最低限カバーは付けましょう)
  • 電気メーターボックス
  • 給湯器|エコキュート
  • 物干しスペース|バルコニー含む
  • カーポート(意匠性の高いものを選びましょう)
  • 雨樋|やむを得ず正面に来る場合は、スッキリとした形状や素材のものを選びましょう
  • 破風板|軒のある家は除く
  • 換気フード|家の雰囲気に合った形状のものを選びましょう

大事な窓計画

外観デザインを大きく左右するのが窓計画。窓計画の大事さはこれまで何度も取り上げてきました。

窓のサイズ・配置が外観デザインに大きく関わってくることが、間取りと外観デザインを平行して考えないといけない要因の一つです。

外構・植栽によって外観デザインに差がつく

家の外観デザインにおいて外構計画は、建物と同じくらい重要です。外構は「家の顔」となる部分を大きく構成し、全体の印象・完成度・生活の快適性を左右するからです。
逆に、外構の手を抜いてしまうと「建物が完成していない感」すら出てしまうことも。
ここで注意したいのが、「良い設計者は外構計画と住宅の計画を一体で考えている」という点です。フェンスの高さ・植栽の位置・ライトアップ・室内外の繋がり感など、住宅の設計に加えて外構についても設計者は色々と配慮しています。
コストダウンの観点から外構業者を住宅会社の工事から外して外構業者に直でご依頼される方も一定数いらっしゃいますが、なるだけ住宅会社にお任せすることをお勧めします

まとめ

今回は、外観デザインをセンス良くまとめるため、最低限知っておいていただきたい基本的な項目をまとめました。以上の内容を家づくりの段階でチェックリスト的に使っていただけたらと思います!

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    この記事を書いた人

    住宅の基本設計と営業をする人|失敗しない家づくりのコツを発信|たまに写真や日常について|職歴:地場HM(大手HM・設計事務所勤務経験有)|実績:建築150棟・内基本設計100棟|1棟1棟丁寧に家づくりをさせて頂いております|間取り相談や家づくり・住まいについてのご相談は気兼ねなくご連絡下さい。

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