こんにちは! T.Nakata です!
家づくりで一番大事なイベントと言っても良い「ご要望を設計者に伝える」タイミング。
どのような家に住みたいですか?
と設計者から聞かれると、ついつい舞い上がってしまい「勿体ないなぁ…」という事をやってしまいがち。
設計者の能力を半分も発揮できなくなってしまう「タブー」がいくつかあります。これをやってしまうと、家づくりが失敗に終わることが確定してしまうと言っても過言ではありません。
その「タブー」とは一体何でしょうか?? 一つずつ詳しくご説明していきます!
この記事は以下のような方におススメです!
- 注文住宅の家づくり計画に失敗したくない方
- 担当者に間取り・プランに対するご希望を伝えるタイミングにある方
- 担当者にどのように間取り・プランに対するご希望を伝えたら良いのかわからない方
それでは、始めます!
間取りのご要望を伝える時にやってはいけないこと
設計者に図面を見せる
数社同時に検討されていらっしゃるお客さまや、建築をかじった事のあるお客さまがやりがちなのがコレ。自身で図面を描かれたり(書かれたり)、他社の設計者が描いた(書いた)図面を設計者に見せてしまうケース。
この図面をもとに見積もりお願いします!
と、図面を握りしめて初見の建築会社に相談に来られる方、結構いらっしゃいます。が、これはNGです。
自分の設計に自信がある設計者なら、まず他社のプランした図面を見ません。…見ても、そのままの図面で話を進めません。その図面は置いておいて、一からヒアリングを行います。
でないと、「お持ち頂いた図面を気に入られている」という先入観を無意識に持ってしまい、その図面に引っ張られたプランニングしかできなくなってしまいます。
その設計者ならではの発想が中々出て来にくくなってしまい、折角の設計者との打合せが殆ど無駄になってしまうので、具体的な図面を設計者に最初に見せてしまうのはやめましょう。
逆に、
ありがとうございます! このプランをもとにお見積もりさせて頂きますね!
は危険です。 即、担当者をチェンジしてもらいましょう(それくらいNGです)。家づくりに対する向き合い方…家づくりのプロとしての意識に欠け「売上が上がれば何でも良い」と思っている担当であるか、圧倒的に経験が少ない「人気のない」担当者である可能性が非常に高いです。
こういった担当者は、
プランはご自身で考えていらっしゃるので、金額さえ合えばご契約頂ける!
という方向で考えてしまう傾向が強いです。 結果、
仕様や性能は必要最低限で良いよね! 制震装置…外しておこう! 断熱材…厚みを薄くしても良いかな! 基礎補強費用? 別途扱いにしとこう! 外構は…とりあえず土間とフェンスさえ予算に入れとけば良いよね!
と、家づくりの本質とは全く逆方向に向かって突き進んでしまいます。
こういう営業や設計…結構居ます(汗)
畳数で要望を伝える
これは、モデルハウスを色々とご覧になられた方や、間取りを見るのが好きなお客さまに多い傾向ですが、「LDKは20帖以上で!」と畳数で部屋の広さのご要望を伝えて頂く方もかなりいらっしゃいます。 「〇〇さんのお宅のリビングが素敵で、その家はLDKが20帖だったから」と言った理由であったりすることが殆どですが、これまた失敗のモトだったりします。
それは、部屋の形や家具のレイアウトなど、色々な要素で畳数の差はひっくり返ってしまいます。
どの部屋に何を置いて、どのように過ごすから、これくらいの広さが必要…。と設計者に「広さをプランニング」してもらいましょう。「〇〇帖で!」と伝えて頂く方が設計者は楽ですが、設計者の能力を発揮できない原因になってしまいます。
畳数は結果であって、目的ではありません!
畳数ではない!実例|子ども部屋
例をあげてご説明させて頂きますと、例えば「子ども部屋」。
設計者もついついメインのLDK周りでない子ども部屋は、
何帖くらい必要ですか??
と聞いてしまいがちですし、お施主様も、
そんなに広くなくて良いので、とりあえず4.5帖くらいでお願いします。
と答えてしまいがちです。
実際、最近のトレンドは4.5帖くらいですが、ホントにそれで良いのでしょうか?
4.5帖の子ども部屋はこんな感じです。勉強机とベッドを置いて少し余裕があるくらいの広さです。「勉強は子ども部屋で!友人を複数呼んだりすることを想定したい」という考え方の方にとっては「少し手狭」で、理想は6帖欲しいところです。
4.5帖の正方形の子ども部屋はベッドと勉強机を置いて少し余裕があるくらい
6.0帖の子ども部屋はベッドと勉強机とチェストや座椅子などが置ける余裕の広さ
逆に、
勉強はLDKのような、目や声が届く場所でさせたい。
とお考えの方にとってはどうでしょう? 先ほどの4.5帖の子ども部屋から勉強机が無くなると…広すぎるように感じませんか?
でも、さすがに受験の時は子ども部屋で勉強するかも??
と心配される方も多いです。
如何ですか? ベッドと勉強机が入りますし、収納もタップリ。無駄がない子ども部屋スペースです。勉強机が無ければ全然広く使って頂けますし、将来子どもさんが独立した後は書斎スペースなどにも転用できますね。
実は、一般的な4.5帖は「何も考えなくてもとりあえずベッドと勉強机は置くことができる」安全パイな広さだったりします。つまり、「設計者にとって都合が良い広さ」というわけですね。
上のように、3.7帖の子ども部屋は「収納の位置や部屋の向きによって成り立たなくなる」危険性もあるため、「どのような家具を置いてどのような生活を送るのか?」を想定した設計が必要になるため、より高い設計力が必要となります。
ではやっぱり安全パイで子ども部屋は4.5帖取っておけば良いよね
と思われるかもしれませんが、少し待って下さい。
4.5帖の子ども部屋2つと3.7帖の子ども部屋2つでは、2部屋で1.5帖違います。つまり、0.75坪の差です。
坪単価60万円の家であれば、 60万円×0.75=45万円 の削減になる可能性があります。
実際はそこまでコストカットにはなりませんが、この1.5帖をリビングの広さに配分したりと、設計者はお施主さまの送りたい生活に必要な各部屋の広さとコストのバランスをうまくとりながらプランニングしますので、「この部屋は何帖以上」「この部屋は何帖は絶対必要」と指定されてしまうと、こういったノウハウを発揮する場がなくなってしまい、結果、
- 予算ががっつりとオーバーしたプラン
- 無駄に広い間取り・プラン
- 必要なモノが入らない間取り・プラン
がご提案されてしまう、という結果になるわけです。
部屋の数もしかりで、「絶対必要な部屋・できれば欲しい部屋・そこまで必要でない部屋」といった感じで、間取りのご希望を伝えるタイミングでは優先順位をつけるくらいの緩い感じでリクエスト頂くくらいの方が、設計者の能力とアイデアを引き出すことができます。
伝言ゲーム
ここが住宅業界の闇の一つではありますが…「そもそも、家づくりのご要望を聞いてくれる人は、あなたの家をプランニングしてくれる人ですか?」
当たり前でしょ?? と思われるかもしれませんが、意外と当たり前ではありません(汗)
営業マンが要望を伺って、設計担当に伝えて…プランニングして…プレゼン作成者に渡って…営業マンに戻る。 なんてことも。
修正要望が出て…設計担当に伝えて………の繰り返しで、中々ピンと来ないなんてことも…(汗)
更に、そのご要望を伺う営業マンの経験値(建築知識)が絶望的に低い場合は…。
少し冗談っぽく述べましたが、普通にこういった事が行われています。
しかし、これは完全にレッドカード。「家づくりの要望を聞く人=設計する人」でなければ良い家づくりができないのは想像に難しくないですよね?
(一定数(数%くらい?)の割合で、基本設計と営業を高レベルで兼務している営業設計が存在します。この場合は、「家づくりの要望を聞く人=設計者=家づくりのプロ」ですので、問題ありません。
間取りのご希望を伝える時の心構え
間取りのご希望を伝える時にやってはいけないことを3つお伝えしましたが、これを踏まえて「注文住宅のプランニング成功する間取りのご希望を伝える時の心構え」についてご紹介します。
- プランニングは、設計のプロに任せる
- お施主さまは設計者に、新居で送りたい生活・ご自身の価値観・好みを伝えることに終始する
- プランニングしてくれる人に直接間取りのご要望を伝える
この3つです。これさえ守れば、注文住宅の間取り・プラン作りで失敗する可能性はグッと下がり、
おっ!?
と驚く
想像以上の提案です‼
と感じて頂けるご提案が設計者から出てくる可能性が上がりますのでお試しあれ!
まとめ
家づくりのご要望を設計者に伝える際に心がけて頂きたいのは、「いかにして設計者の能力を引き出すか?」に全力を注ぐこと。10 年以上設計している設計者( 設計士や建築士ではありません)であれば、少なくとも100 件以上のお宅のプランニングを真剣に行った経験があると思います。 この経験を頂かない手はありません。設計者を信じ、設計者と協力してご自身の想像の120%以上の家づくりを行うことが、成功の鍵と言えるでしょう。
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