窓の高さを絞る｜「リビングにも地窓」は思いの他良いものです。

「リビングに大きな窓」というご希望は、ほぼほぼ皆さんからお受けするご希望です。確かに明るいリビング、広く見えるリビングには大きな窓が最適ですが、それが逆に仇になることも。

折角大きな窓を設けても、カーテン閉めっぱなし。リビングを明るくするはずが逆に暗いリビングになる、ということに。

逆にリビングの掃出し窓の高さをおさえることで、周囲からの視線をカットしてカーテンレスで生活することができ、日当たりも十分。「地窓」を用いることで、そんな家づくりが可能となります。

この記事は以下のような方におススメです

• 地窓のメリットデメリットを知りたい方
• リビングに兎に角大きな窓を取りたいと思っていらっしゃる方

では始めます！

地窓とは？

地窓は、床に近い場所に設けられた窓のことです。

和室に設けるのが主流でしたが、最近では洋室やリビングにも取り入れることが増えてきました。昔は、ホコリを外に掃き出すために設けられることが多かったですが、最近では採光と換気のやり割りをもつ地窓に変化しています。

地窓のメリット

地窓のメリットは以下の通りです。

・ プライバシー性が高い
・ 魅せる窓になる（オシャレ）
・ 窓の上部を余白としたり、有効活用したりできる
・ 座ってちょうど良い高さ

プライバシー性が高い

地窓の一番のメリットと言って良い「プライバシー性の高さ」。

地窓の上端は人の視線よりも下になるように設けるので、カーテンを付けなくても家の中が見えることが少なく、外からの視線をカットすることができるのが地窓の一番良いところです。

背の高い大きな窓を設けても外からの視線が気になってカーテン閉めっぱなし、ということは地窓の場合は起こりにくいです。

この写真が一番分かりやすいと思います。右側の窓は高さ2,400mmのハイサッシです。屋外に設けた目隠しフェンスの高さは2,200㎜と割合高めにしていますが、道路向かいの家の２階の窓からの視線はカットできていません。対して、左側の窓の高さ1,500㎜の「地窓」は、目隠しフェンスで完璧に道路向かいの家の視線をカットできています。

魅せる窓になる（オシャレ）

一般的な掃出し窓から見る景色と、地窓を通して見る景色は全く違った雰囲気になるのも地窓の大きな魅力。
地窓の場合は背の高い窓と違って自然と視線が下に下がりますから、デッキやテラスや地面に視線を向けることになります。デッキやテラスで屋内外の繋がりを設けることで広さを強調することもできますし、坪庭として緑を感じるリビングとすることができます。

こちらのお宅は「ファンタジスタ藤本さんにも取材・ご紹介頂きました！」

窓の上部を余白としたり活用できたりする

上の写真は少し白飛びしてしまって魅力半減してしまっていますが…汗

地窓の上の余白の壁に間接照明を当てるとオシャレ。窓に直で照明が当たらないので、反射してしまうこともありません。

背の低い地窓であれば、その上に壁掛けテレビを設置したりと残った壁面を有効利用することも可能となります。

座ってちょうど良い高さ

大半の方はソファや地面に座ったり寝転んだりしてリビングで寛がれるのではないでしょうか？

寛ぎの時間で人は意外に「開放的過ぎると落ち着かない」ものです。

その点、地窓は「開放的になり過ぎず、座ってちょうど良い高さ」とすることもできるので、「リビングで寛ぎたい」という方にとってマストアイテムとなることもあります。

と心配される方も多いかと思いますが、窓の横幅をしっかり確保できれば採光量はしっかり確保できますし、

吹抜けを併用することでリビング全体の採光を確保することができます（眩し過ぎないのもポイントです）。

まとめ

今回は「リビングに地窓を設けては如何？」というご提案のご紹介でした。
実は、僕は最近まで「リビングにはハイサッシ」一辺倒の大開口信者でした。地窓と言えば「玄関まわり」「和室」「廊下」くらいしか設けていませんでしたが、リビングのプライバシーの確保について考える機会が増え、目隠しフェンスのあり方や周囲からの視線のカットなどを突き詰めていくと、「リビングにも地窓は意外に良いものだな」と考えを改め、最近はよくご提案に組み込むようになりました。
僕自身も、リビングの開口を絞ることによるリビングの明るさに懸念を持っていましたが、全然大丈夫です。是非一度検討の一つに入れてみては如何でしょうか？

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