こんにちは! T.Nakataです!
新築の際、無垢の床は皆さん一度は興味を持たれますが、「キズが付きやすい」「金額が高い」ということで、見送られる方も多いです。
合板フローリングに比べて無垢の床の金額は高いのは事実ですが、「無垢の床はキズが付きやすい」とひとまとめにしてしまうのは早計です。無垢の床にも色々な種類があり、かたくてキズが付きにくいものもあります。 下地の合板は割合かたいので、モノを落としてもキズは多少つきにくいですが、凹んだり深く傷つくと、表面と違う材料が顔を出し、目立ちやすくなってしまいます。無垢の床、合板フローリングそれぞれにメリットデメリットありますが、個人的には無垢床がとってもおススメなので、比較検討してみては如何でしょうか?
無垢床のメリット
まずは、無垢床のメリットを考えてみます。
・ 本物の木質感
・ 温もりを感じる(実際に暖かい)
・ キズも凹みも味になる・補修しやすい
下の写真はパイン床材です。無垢床の中では柔らかく、キズは入りやすいですが節目が綺麗で保温性が高く暖かみを感じる床です。
最近の合板フローリングのプリントの木質感も大分リアルになってきており、一目では分からないものも出てきていますが、やはり本物を見ると質感が全然違います。プリントの場合はどうしても「規則性のある柄」になってしまいますが、無垢の床は完全にランダム、柄も色も規則性がないので、風合いがとても良いです。
また、パイン(松)や杉の木のような柔らかい無垢床の場合は、合板フローリングのようにひんやりしづらく、保温性も高いので暖かいので床の上に座ったりゴロゴロしたくなります。 対して、オーク(ナラ)やウォルナットのようなかための無垢の床の場合は、保温性はそこまで高くありませんが、合板フローリングよりもキズが目立ちにくい、傷つきにくくメンテナンス性に優れます。
無垢床のキズは「味」として感じることができます。年月が経つにつれて、それぞれの家庭らしさ・歴史を刻むことができると感じることができる材料が無垢床材の大きなメリットです。また、合板フローリングの場合キズが付いたり凹んだりすると業者による修復が必要ですが(チョークで隠すくらいは可能)、多少のキズや凹みならDIYで修復することも可能です。
無垢床のデメリット
メリットが多い無垢床ですが、デメリットも多くありますので注意が必要です。
・ 合板フローリングより高い
・ 隙間ができたり反りがでる
・ キズが付きやすい・凹みやすい
・ 床暖房を付ける時には採用できない
無垢床材の中では割合安価なパイン(松)や杉や桧(ヒノキ)でも、一般的な合板フローリングに比べると2~3倍の価格になります(一般的な広さの1階全て変えたとして差額は20-30万円くらいの印象です(品質・流通などにより様々です)。高価なウォルナットなどになると、更に3倍(合板フローリングの6倍)くらいになります。無垢床材選びのポイントは「好き嫌い」が判断基準になりますので、「高い無垢材=良い無垢材」とはなり得ません(例えば、私自身の好みは割合安価な「オーク(ナラ)」のユニです。
※ユニ:フローリング1枚の1820mm長さを4-5箇所程度で繋ぎ合わせた材料。1枚モノに比べて価格も安く、無垢のフローリングの良さを堪能でき、木目は少し派手目になります。
写真:無垢オーク(ユニ)
無垢床材は、大なり小なり湿度が高い夏は膨張し、湿度が低い冬は収縮します。収縮した時にできた隙間に埃やゴミが溜まり、膨張してしまうと少し反ってしまうこともあります(エアコンが直で当たる場所の伸縮が顕著です)。
柔らかい材料を選ばれれば、キズがつきやすく凹みやすいです。神経質な方には合わない可能性もあるので注意が必要です。
無垢の床の一番の問題は「床暖房を付ける場合には採用できない」という点です。先述の通り、無垢の床材は湿度(温度)により変化を起こしてしまうので、相性が凄く悪いです。無垢の表情だけ楽しみたい、という方には「突板(下地に合板を用いた表面のみ無垢の床材)」という選択肢もありますが、無垢床より更に高価になる場合もありますし、無垢材の良さ(性質)が損なわれることも多いので注意が必要です。
まとめ
無垢材は一般的な合板フローリングに比べると価格も高く、デメリット(と感じる性質)もあるので、どの樹種がご自身の好みに合うか?そもそもご自身は無垢材を使って良い方か?をキチンと判断された上で採用するか検討されることをおススメします。しかしながら、無垢床はメリットも大きい材料なので、是非一度は採用を検討してみて欲しい材料です。
どんな床材を使えばいいのか?無垢材に興味はあるものの採用して良いものか?など何でもご相談を承ります。
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