広島市南区|N様邸
敷地面積 | 238.75㎡(72.22坪)
延床面積 | 205.87㎡(62.27坪)
完成年月 | 2021年09月
エピソード
Nさんご夫婦との出会いは建物完成より遡ること5年。何となく見て回られていた展示場巡りの時。そこから3年が経ち、何気なく新興団地のモデルハウスのオープニングイベントにご来場されていた時、1日間のみそのイベントにヘルプに入った私を偶然にご夫婦が見つけられ、お声がけ頂いたことが事の始まりでした。
「これもご縁ですね!」ということで、具体的な建て替えのプランニングのご依頼を頂くことに。数社でのコンペティションになりました。
ただ、ここで問題が。古い街中でよくある「境界問題」。プランニングを中断し、その問題の解決に更に1年を要することになります。
境界問題が解決した段階で私どものプランニングへの信頼を頂き、コスト調整を行いつつ家づくりのご依頼を正式に頂けることとなりました。建物が完成してお引渡しの時点で出会いから5年、
「あの時の偶然の出会いが無かったら、この家が完成していなかった…。そうなっていたら、どうなっていたことやら…」(奥さま)
と喜びの声を頂くことができ、私自身とっても幸せな気持ちになれた家づくりです。
Nさんからのご要望
特に旦那さんはしっかりと自身で知識を付けて頂いており、ご要望は具体的です。
(旦那さん)「箱型の家が希望です。シンメトリーが好ましいです。広いLDKでモノをなるだけ見せないように。生活感を排除したいです。私の趣味部屋が…、奥さんの部屋を…。」
といった具合いです。
敷地の状況
「大きな通りから1本入っているものの抜けているため見えてしまい、街中ゆえにいつ周囲に背の高い建物が建つか分からない周辺環境・100坪くらいはあるものの現に東側には3階建ての大きな建物があり視線が気になる・前面道路は砂利道・旧家は築50年以上。」
現況は、南側隣地は2階建てですがとても古く、いつ背が高い建物に建て替わるか分からない状況。4方向からに加えて上方からの視線があり、広い土地を活かした庭のある家にしようとしても、どうやっても周囲からの視線を切ることができません。
設計コンセプト
広い土地の場合、ついついセオリー通りの外に開く家としがちですが、4方に背の高い建物があるため、街中住宅の「外に閉じて内に開く」家をベースに考えます。
具体的には、
という感じで、中庭を中心とした家づくりを行います。
外観デザイン
完全な箱型で、できる限りシンメトリーとなる外観デザインをご希望されたので、パラペットを立ち上げてフラットな屋根形状に。外部からの視線をカットするために、アルミの縦格子を2面に計3つ取り付けました。
採光用の最低限の窓以外は外から伺うことはできません。
インテリア
主役は15帖にも及ぶ中庭空間。家族で鍋を楽しんだり大学生の娘さんの憩いのスペースになったりと、早くも色々と活用されているそう。
玄関を入った瞬間、眼前に広がる景色。ホテルライクな白い鏡面の床と木目とタイル壁が良く合う。
室内はモノトーンカラーでまとめたおかげで、対比効果で中庭の木目が映える。
まるで絵画のように「魅せる」空間となるようデザインを施した廊下。
スリムでスタイリッシュな形状の鉄骨階段。
旦那さんの憩いのスペース。以前は休日は殆ど出かけていたけれど、新居が完成して家で過ごされることがホントに多くなったそう。
まとめ
軒の深い、15帖にも及ぶ中庭空間を主役とした家づくりです。外部からは「箱」に見えますが、一たび玄関に入ると様々な表情が現れる二面性がある家です。
私自身としても、持てる力と知識を総動員して120%の力で取り組ませて頂いたお宅で、プランナーの力も100%以上引き出して、色々な新しい試みもご提案させて頂きましたし、それを許して頂けるお施主さんでもあり、コラボ効果でとっても良い住まいになったと思います。
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