こんにちは! T.Nakataです!
家づくりのご計画を進める上で、どうしても目がいくのは初期コスト(イニシャルコスト)。保証はしっかり確認される方が多いですが、意外にメンテナンスコスト・ランニングコストの検討が抜けていらっしゃる方が多い印象です。
特にランニングコストは目に見えにくいですが、毎月2,500円程度の光熱費の差が出ると、1年間で3万円、10年間で30万円、50年間で150万円もの差に膨らんでいきます。
因みに、昭和55年以前の無断熱の家の年間冷暖房費が133,000円、平成28年の省エネ基準による一般住宅では年間の光熱費が52,000円と、8万円以上の差があるそうです。
この記事は以下のような方におススメです
- 家づくりのコスト配分の仕方に興味がある方
- 家のメンテナンス・ランニングコストをなるだけ抑えたい方
- 家づくりの具体的な計画の段階にある方・建築業者に見積もりを取っている段階の方
では始めます!
家のメンテナンスコストを抑える
メンテナンス性の高い仕様にする
見た目は全く一緒でも、長持ちする素材とそうでもない素材があったりします。代表的な項目としては、屋根・外壁・シーリング材です。1回メンテナンスする毎に数十万円~数百万円かかるので、特に外回りは長持ちするものを選ぶように心がけましょう。
屋根
一番メンテナンス性が高いのは、釉薬が塗ってある瓦屋根(光沢がある瓦)で、耐用年数は50~60年です。ただし、屋根瓦は重たい素材で、耐震性に不利。また、緩勾配の屋根にできないので、シンプルモダンな家には適さないので注意が必要。
また、どのような屋根材を選んでも、下地のルーフィングの耐用年数が20年くらいなので、何かしらのメンテナンスは必要となります。コストが安いスレート瓦は、軽くて防災面で有利ですが、耐用年数が7年~15年と短いものもあるので注意が必要です。スレート瓦と釉薬瓦の1棟の差額の目安は30~40万円くらいです。
外壁
近年、一番メジャーな外壁材は窯業系サイディングですが、最近では40年メンテナンス不要をうたっているサイディングも発売されています(KMEW|光セラ40)。ただし、サイディング板と板のつなぎ目を埋めるシーリング材(コーキング材)も高耐久のものを選ばないと(KMEW|スーパーKMEWシール40)足場をかけて外壁のメンテナンスをしないといけなくなるので注意が必要です。見た目は殆ど一緒でも、短いモノで15年程度、長いもので40年と耐用年数の幅が広いので、外壁選びには特に気を付けましょう。サイディングで有名なメーカーのKMEWさんを例に挙げると、親水コートは15年、光セラで30年を目安に塗り替えが必要です。
メンテナンス費用のかかるモノを減らす
使わない(用途の少ない)バルコニー
以前にも取り上げましたが、バルコニーの防水は定期的にメンテナンスが必要です。怠れば雨漏れの原因になるので、バルコニーを設けるとしても、メンテナンス性の高い防水方法を選択しましょう。
過剰な家の大きさ
家は、広ければ広い程良い…というわけではありません。特に、最近は建物価格がとても上がっているので、過剰な大きさの家は即予算オーバー…。無理して建築したとしても、面積が広い分、外壁・屋根・床・内壁…全て比例して量が多いため、メンテナンスコストが高くなります。
家を建てる際に、ご自身にとって必要十分な広さの建物を建築することを心がけることが、メンテナンスコストを抑えるポイントです。
機械に(過剰に)頼らない
持論ですが…機械はいつか壊れるもの。なので、なるだけ機械に頼った家づくりは後々メンテナンスコストが嵩むので、アナログな「家そのものの魅力」をアップさせるためにコストをかけた方が良いと思っています。
全館空調をはじめ、高価な食洗機、IHクッキングヒーターより、無垢の床、壁、窓などに優先的にコストをかけましょう(余裕があればもちろんとっても便利で快適な機械を取り入れるのもOK)。
家のランニングコストを抑える
断熱・気密性能にこだわる
ここ1年、ホントに電気代も高くなってきましたね! なので、なるだけ冷暖房を使わなくて良い「断熱・機密性能が高い家」にすることで、ランニングコストをグッと抑えることができます。
断熱・気密は耐震性と同じで、良ければ良い程良いです。他で例えれば、パソコンの性能や車の燃費のような感じでしょうか。ある一定までは少ないコストで性能を上げることができるので、断熱・気密について皆さんある程度の知識を付けるようにしましょう。一定以上を目指そうとすると、途端に高額なコストがかかってしまうので、イニシャルコストとランニングコストのバランスを見ながら「どこまでこだわるか」を個々で検討できるようになるのがベストです。
創エネにこだわる
「電気代が高いなら、自分で電気を作ればいいよね!」ということで、太陽光発電システムや蓄電池も検討に入れると良いでしょう。特に太陽光発電システムは最近とても安くなっているので、一考の価値があります。
とは言え、最初から導入するにはやはりコストが…(昼間あまり電気を使わないご家庭の場合、蓄電池まで導入しないと効率が悪いけれど、蓄電池はまだまだ高額…)という方もいらっしゃると思いますが、「将来的に太陽光発電システムを導入できるような屋根形状にしておく」などの配慮はしておくと良いかもしれませんね。
コンパクトな家にこだわる
家の大きさを必要十分に抑えることは、メンテナンスコストだけでなくランニングコストを抑えることにもつながります。
・ 光熱費
・ エアコンの数
・ 固定資産税
・ 火災保険料 etc…
コンパクトな家にすることで、様々な費用(ランニングコスト)をおさえることができます。
まとめ
どうしても、家づくりの計画中に目が行くのは「初期費用(イニシャルコスト)」しかしながら、100万円くらいの差であれば、メンテナンスコストやランニングコストの差であっという間にひっくり返ってしまいます。
見た目が同じでも、メンテナンス・ランニングコストが全く違う素材…ということもありますので、「生涯コスト」「どのタイミングでメンテナンスが必要か」にも注意を払うようにしましょう。
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