東広島市八本松|S様邸
敷地面積 | 167.19㎡(50.57坪)
延床面積 | 101.40㎡(30.67坪)
完成年月 | 2024年04月
新居の完成は出会いから2年後
新居が完成したのは、はじめに家づくり計画の相談を受けて2年後。かなりな時間をかけてこだわりの土地探しをされたのに加え、長男さんの出産から半年の計画延期期間を挟みながらの家づくりでした。計画延期期間にも、SNSで欠かさず情報収集をされ、こだわりポイントが明確に。”シンプルな箱のような外観デザインに”、”間仕切りがほとんどない、LDKの空調で家全体が暖かい家づくりをしたい”とご希望されました。外壁材1つにしても「〇〇社さんの△△というシリーズはどうですか?」と詳細にご希望をいただき、サンプルや見積もりを取りながら決定。間取りについても、玄関→ファミリークローク→洗面台→LDKという流れの裏動線(帰宅動線)を設け、延床面積30坪とは思えない充実の1階の家となりました。
道路側から見るとわからない台形の土地
土地は道路との高低差が少しある日当たりの良い土地。日当たりがとても良いかわりに道路からの視線が気になります。また、間口が少し狭く奥行きが長いのに加え、道路側から見ると分からないけれど台形という”隠れ変形地”。「シンプルな箱のような外観デザイン」をご希望されていることもあり、道路側の形をキレイに整え、奥側を敷地形状に合わせた間取りとして、敷地の無駄がなるだけでないように計画しました。
また、窓計画に強弱を付けてプライバシーの守られたLDK空間を実現するように工夫を凝らしました。
外観デザイン
奥行が長い敷地形状を活かすため、「建物+庭」と「駐車スペースと道路」を分ける外構計画に。
アプローチ部分の洗い出しや駐車スペースのコンクリートに雨垂れが出にくいように際に砂利を施工。
軒天と袖壁にあしらったオーク木目が印象的なアプローチ。
LDKと隣接するプライバシーの守られた庭。
インテリア
延べ床面積30坪という割合コンパクトにまとめた家ながら、面積以上の広さを感じるように工夫を随所に凝らしました。
まず大事になるのが「玄関スペース」。面積を広くすることが難しい場合は視線の「抜け感」を玄関に設けることで、家全体に余裕を感じることができます。
シューズクロークは2WAY。建具は設けず、ロールスクリーンで隠せるように。リビングへのアクセスは手前、奥はファミリークロークへとつながる。
裏動線はこんな感じ。一番奥から玄関ホール・ファミリークローク・洗面スペース。それぞれに適度な収納スペースを設けた。
表動線はリビング・ダイニング・キッチンとつながる。建具の存在をほとんど感じないよう、スッキリとしたおさまりになるよう全体をまとめました。
裏動線の洗面スペースとキッチンで合流。回遊動線を設けた場合、通路部分が増えて床面積が広くなりがちですが、代わりに廊下を最小限とすることで面積増加を最小限に抑えました。
ダイニング(右側)からウッドデッキにつながりを設け、BBQを気軽に楽しめるように。出入りのメインとなるので大きなサイズの窓としました。リビング(左側)は逆に、ソファに座ってカーテンなしでくつろげるように低めの窓に。
まとめ
S様邸は、無垢床・造作洗面台・セラミックトップキッチン・造り付けテレビボードのように、随所にコストをかけていらっしゃいますが、コスト的には割と控えめに完成しました。これは、一にも二にも「面積を抑えた」おかげです。道路から見て裏側は敷地なりに建築した分、建物が多少凸凹していますし(屋内からそれは全く感じないように配慮しています)、玄関エリア分2階よりも1階よりも広いので、総2階の真四角な家に比べればコスパは多少下がりますが、基本ベースは真四角な家を崩していくプランニングと面積減でリカバー。コストとディテールと生活しやすさを絶妙にバランスさせました。
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