注文住宅を建てるための土地探しの現実|理想の土地が中々見つからない理由と対策を深掘り解説

こんにちは! T.Nakataです!

家を建てるために土地を探されていらっしゃる方の中で、最近では大分少なくなりましたが「まずは不動産屋へ行ってみよう!」と希望エリアの近くにある不動産屋さんに足を運ばれる方もいらっしゃいますが、これは間違いです。

最近では、SUUMOさんやホームズさんのようなポータルサイトで土地情報を探されて、ある程度目星をつけてから住宅メーカーを探し始める方が多いと思いますが、実はこれも間違いです。

相場を把握されたり、本格的に探し始める前の勉強であったりであれば、ポータルサイトをご覧になるのは非常に良いことだと思いますが、家づくりの最初の一歩として土地探しスタートはNGです。

以前も何度か土地探しについて投稿致しましたが、

今回は、より内容濃い目でご説明します!

この記事は以下のような方におススメです

  • 土地を購入して注文住宅を建築される方
  • 家づくり計画をスタートしたばかりの方
  • 土地の探し方が分からない方

では始めます!

目次

2023年現在の土地探しの現状(広島版?)

最初に申し上げますが、私はずっと広島の中で家づくりのお手伝いのお仕事をしてきましたので、他県の方の場合は前提条件そのものが大なり小なり当てはまらないケースも多々あるかもしれませんが、ご容赦ください。

住宅価格の上昇

2021年に始まったウッドショックの影響もあり、「住宅が高くなった!」と耳にされている方は多いのではないでしょうか? 2023年現在、木材の価格は落ち着いてきていますが、価格は高止まりです。 それどころか、秋口から住宅設備の価格が更に値上げ、という情報も入ってきているので、まだまだ価格が上がりそうな雰囲気です。

家づくりのお手伝いの仕事21年目ですが、値段が下がったことは一度もありません💦

因みに、約20年前の地場ハウスメーカーの坪単価は税抜50万円前後でしたが、現在は70万円前後…1.4~1.5倍になっています。

当然、住宅の断熱性能や耐久性能、耐震性能など住宅性能は20年前と比べて劇的に良くなっているので現在の家に20年前の家の1.5倍の価格の価値はあると思いますが、確実に高くなっています

そして2021年から2023年現在までの2年間で住宅の価格は爆上がりしてしまいました💦

肌感覚として、注文住宅の価格は最低でもここ2年で150~200万円くらいは上がっています。主に大手ハウスメーカーさんを中心に坪単価10万円~20万円以上値上がりしている住宅会社さんも珍しくありません。

この9月~10月からもLIXILさんの製品が一斉値上げで床・建具を始め色々なモノの価格が上がります。

LIXIL、9月1日と10月2日受注分より建材・設備機器のメーカー希望小売価格を一部値上げ – 日本経済新聞 (nikkei.com)

住宅会社の値上げは、単に値上げをするのではなく、サービス・部材・設備など様々なものをグレードアップ&モデルチェンジして坪単価を爆上げするのがスタンダードパターン。

かく言う弊社も、ウッドショック以来の原価高騰による値上げが100万円前後。

加えて初期10年保証を20年に延長したり、住宅設備にも10年保証を設けたり(通常はメーカー保証の1年のみ)、断熱材や窓サッシの標準をグレードアップしたり、外皮計算(住宅の断熱性能を測る数値の1つ)を標準化したりと、100万円以上の仕様・サービスの向上による値上げも行ったので、200万円くらいは高くなっています。

値上がり激しい時期に、政府が省エネ上位等級を新設したり、補助金の足切り条件を引き上げたりと、半強制的に日本の住宅の性能を引き上げようとする流れができたのも大きかったです。

住宅の基本性能が引き上げられ・価格が高くなったことで、住宅の間取りの考え方も激変しています。「何となく広く建てる➡小さく建てて広く住まう」「吹抜けは寒くないか心配➡LDK空間に色々な空間を取り込む。吹抜けで家全体の温度ムラを低減する」。と言った感じです。

土地価格も上昇

話がいきなり大きく脱線してしまいました…、ここからが本題です。

土地代データさんサイトをスクショさせて頂いた画像で、今年の広島市の公示地価が去年に比べて上がったか下がったか?が分かる地図ですが…中々に爽快なマップになっております💦

こちらは、広島市公示地価、基準地価の総平均の年度別の推移ですが、ここ8年で約1.4倍になっています。これは、実務者の僕の肌感覚とも一致していて、ここ数年の土地の値上がりは凄いです。更に言うと、この数字は平均値で、人気のない場所の価格は据え置きか値下がりしているため、人気の場所の価格はもっともっと上がっている印象です。

土地も建物も値上がり激しいのがここ数年の状況です。

土地+建物=総額ではない

総額予算は4,000万円です

SUUMOで土地情報を見てると、自分たちの希望の土地は2,000万円くらいで見つかりそうです。 なので、2,000万円の予算で建築できる住宅会社を探しています!

はい、ちょっと待ってください。

総額予算(4,000万円)- 土地予算(2,000万円)= 2,000万円    …ではありません!

土地+建物=総額と思っていらっしゃる方は意外に多いです。実際には、この他にも

❶ 照明・カーテン(約70万円)
❷ 外構(建物の1割程度)(約200万円と仮定)
❸ 地盤補強費用(0万円 ~ 約100万円)
❹ 諸費用(約200万円)
⑤ 建物・照明・カーテン・外構の消費税(住宅は意外に税抜きで説明する営業マンが多い)(約230万円)

➡ 合計 約700万円~800万円

これが土地と建物以外に必要になります。 つまり、2,000万円の土地に本体価格2,000万円(税抜)の建物を建築すると、総額で4,700万円になる計算ですね。

価格上昇の影響がここにも出ます。照明・カーテン・外構も目に見えて価格UP。地盤補強費用もUPです。

広島市の郊外では、土地価格2,000~3,000万円が一つの目安なので、総額が5,000万円~6,000万円が一つの目安に。

数年前は総額4,000万円~4,500万円くらいが一つの目安だったので、結構な上がり幅を実感しています。

競争率がとにかく高い ➡ 良い土地は業者がおさえてしまう

SUUMOなどで良いなと思った土地が問合せをしたら既に売れてしまっていた、もしくはすぐに売れてしまった、という経験をされた方も多いと思います。 肌感覚としては、僕たちが見て「良いな」と思える土地は、1カ月以上ないです。2週間くらい…でも無くなってしまう可能性があります

今週末の休みの日に見に行って、良かったら問合せしてみよう

というスピード感では全然遅いです。

値上がり傾向にある時は土地情報が少なくなります。少なくなるので競争率が上がります。競争率が上がるので、良い土地が出るとすぐに売れてしまいます。

加えて、

良い土地が出たらすぐに買います!!

相場より少々土地が高くても弊社は建物を安く建てられるので、ご紹介頂ければすぐに買います!

と言った感じで、不動産屋さんや住宅会社・建売業者が買ってしまうケースも多いので、益々良い土地がない…という状態になっています。

建築条件付き土地か建売住宅?

そんな中でも、そこまで直ぐに無くならない土地情報もあります。

それは「建築条件付き土地」です。

建築条件付き土地|建築業者が指定されている土地

建築条件付き土地は、住宅会社が所有している土地だったり、住宅会社から販売委託を受けた不動産屋が販売している土地であったりすることが多い土地です。

建築条件付き土地は、周辺よりも少し割安に価格設定していることが多いので注意が必要です。
「割安なら良いのでは?」と思われるかもしれませんが、建物の価格を割高にして帳尻を合わせれば良いや、という考えの会社も少なくないです。

つまり「撒き餌」ですね。

この土地割安だから良いじゃん!

と飛びつくのはNG。 ただ、総額で損をする訳ではないので、その場所で総額に納得できる(無理がない)のであれば、飛びつくのは全然アリです

コストが気になる人は100点満点の土地を探さない

コストがいくらかかっても良い家に住みたい!良い条件の土地を買いたい!と言う方は問題ないのですが、そういう方はほんの一部です。 大半の方はコストが気になるもの。

コストが気になる大半の方は「100点満点の土地を探さない」と言う思いで土地探しをしないと、直ぐに迷子になってしまいます。

優先度が高い項目(譲れない項目)優先度が低い項目
〇 現在の住まいの小学校区域限定
〇 4LDKの間取りが絶対条件
〇 車2台以上駐車が必要
× JR駅は遠くてOK
× 多少なら坂の上でも大丈夫
× 車は1台駐車できればOK
× 変形地でもOK

このように優先順位の高い項目と低い項目に分類して、優先順位の低い項目を削りながらコストを調整すると良いでしょう。

ですが、これだけでは中々良い土地は見つからないですよね?

そうなんです、これくらいのことは皆さん考えられているでしょうから、中々に思い切って優先順位が低い項目をバッサバッサ削っていかない限り、中々に良い(と思える)土地は見えてこないと思います。

結局言いたいコト(まとめ)|土地は住宅建築のプロと探すのが〇

話が長くなってしまいましたが、結局言いたいのは、

土地は住宅建築のプロと探すと良いです!

不動産屋さんは、土地のプロ。土地のプロに100点満点の土地を探してもらったら、こんな感じの土地を見つけてくれるのでは?と思います。

・ 南側道路
・ 道路幅が広い
・ 広い土地
・ 道路と段差のない土地(平坦な土地)
・ 整形(形が綺麗)な土地
・ 利便性の高い土地

この中で「利便性の高い土地」は、皆さんでもイメージは沸くと思いますが、他の項目は中々皆さん自身で優先順位を下げるのは難しいですよね?

ですが、住宅建築のプロなら、その他の優先順位を下げてもどんな家が建築できるか?イメージできるものです。以前ご紹介したこれらの実例は、整形(形が綺麗)ではない敷地で建築した家ですが、敷地の特徴を活かした家づくりができました。

土地は南側道路に限る! 北側道路だと家は真っ暗になる!

土地だけを見てしまうと、どうしてもこういった既成概念が先行してしまい、100点満点の土地に目がいきがち。しかし、この一般常識的な「南側道路」についても、人によっては「合わない」敷地である可能性もあります。

北側道路でも十分に明るく、そしてプライバシーの守られたお庭のある家を実現できることも多々あります。

敷地の面積もそうです。

とにかく少しでも広い土地が良いです

と思われがちですが、必要な土地の広さも人によってさまざま。

「車2台駐車+4LDK」というひと昔前の定番の間取りであれば、最低でも36坪くらい。それもあってか、

土地の面積は40坪くらいは欲しいですね

というご希望を頂くことが凄く多いですが、よくよく家づくりのご希望をしっかり伺うと、

全然そんなに土地面積は必要ないかな…

という方が凄く多いです。

こちらのお宅は約40坪の敷地に建てられたお宅です。40坪あればここまでできてしまいます。

3LDKくらいで良いかな? 庭は要らないです。 でも車2台駐車は絶対なので、40坪は土地が欲しいです。

とのご希望を伺うと、

全然そんなに土地面積は必要ないのだけれど…

と感じる理由をお分かりいただけると思います。

このように、土地に対する条件を精査して、誰が見ても100点満点の土地から、皆さんそれぞれにとっての100点満点に近い土地に、上手く条件を削る➡コストカットすることができるのが、住宅建築のプロです。

ですので、土地から探す方も、まずは「どんな家を建てたいか?」をリストアップして、ご自身のご希望をかなえてくれそうな家づくりのパートナー探しから始められることが、家づくりの成功への近道であると思います。

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    この記事を書いた人

    住宅の基本設計と営業をする人|失敗しない家づくりのコツを発信|たまに写真や日常について|職歴:地場HM(大手HM・設計事務所勤務経験有)|実績:建築150棟・内基本設計100棟|1棟1棟丁寧に家づくりをさせて頂いております|間取り相談や家づくり・住まいについてのご相談は気兼ねなくご連絡下さい。

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