間取りから考えない方が良い理由|フォルムからプランニングしましょう

こんにちは! T.Nakataです!

これまで、幾度と間取りを考える手順についてご紹介しました。(サイト検索で「間取り」と入力して頂くと、色々な過去記事をご覧頂くことができます)

敷地図(測量図)にペンを取って、さあ間取りを考えよう! まずは駐車スペースを…。 

少し待ってください。 (失敗しない)間取りを考える前に考えておくべきことが幾つかあります

では、どのようなことを考える必要があるのでしょうか?

この記事は以下のような方におススメです

  • 家づくりの計画の最中・始められたばかりの方
  • 住宅を建築する土地がある・見つかった・検討したい土地が見つかったので間取りを考えようとしている方
  • イマイチ間取りプランがしっくり来ていない方・ベストか判断がつかない方

では始めます!

目次

間取りの前にフォルムから

再度申しますが、間取りづくりで失敗しないためには、間取りを考える前に幾つか考えておくべきことがあります。その筆頭は、「フォルム」です。

最初に間取りを考え、その間取りに則って外観デザインや内観デザインを考える流れから洗練されたデザインを求めることはできません。

間取りと外観・空間デザインを平行して考える助けにもなるので、とても大事な作業です。

間取りから考えるとどうなるのか?

間取りから考えると家の形(屋根の形)が複雑になる

街並みを見渡してみてください。「何か屋根の形が複雑だな…」と感じる家があると思います。全体のフォルムを考えず、間取りから考え始めてしまうと、複雑な形状の家になることが多いです。複雑な形状の家になると屋根も複雑な形状になります。

こちらは最近お引渡しした方のお宅ですが、計画的にスッキリとした真四角なフォルムをベースにしています。その上で、玄関エリアをくり抜き、コンクリート調の衝立壁で支えるようなイメージで安定感を出しました。更に、水平ラインを強調するために玄関庇を大型化して軒にデザインの役割を追加しました。

こういった寄棟の家の場合は、特に「シンプルな屋根になるように=四角の間取りになるように」気を付けます。寄棟の良さは「どっしりとした安定感」ですが、一番手前側に来る屋根(軒の水平ライン)が短いと、どことなく安っぽい印象を受ける仕上がりになってしまうからです。

極力シンプルな形をベースにして、そこから引き算をしたようなフォルムを目指すとまとまりがある外観デザイン・内部空間・生活しやすい間取りになります。

下屋根の出し方に注意する|2階の形状もシンプルに

最近は、1階が広く2階が狭いプランになる傾向があります。それは、

  1. バルコニー不要
  2. 1階に屋内物干しスペースが欲しい
  3. 1階にファミリークロークも欲しい

というご要望や

  1. 洗面室と脱衣室を分けたい

と言ったご要望など、最近流行の間取りの要素を取り入れれば取り入れる程、1階が広くなってしまうからです。

1階と2階のボリュームを合わせて「総二階」にすることもコスパを考えると大事ですが、「どうしても2階リビングは嫌」「水まわりが2階にあるのはちょっと…」という方なら良いのですが、現実難しい方も多いと思います。

そんな時、大事になるのが

下屋根を出す位置、下屋根の形状です。

これはつまり、2階の間取り…フォルム・位置が大事だと言うことになります。

基本的には「外観のメインとなる面に下屋根が出ないようにする」と外観デザインが綺麗にまとまることが多いです。これは、「耐震構造的にも安定する」「コスパが良い」「間取りの選択肢が増える」など、副産物的に色々なメリットを生み出すことができるので、特別な意図がない限りはこれを目指しましょう。

いきなりCGパースで申し訳ないですが…

外観のメイン側に下屋根を出す場合は、2階の形状はスッキリとさせましょう。1階・2階それぞれはシンプルな真四角な形状にして、手前側にしっかりと下屋根を出すと綺麗に纏まりますし、先ほどの耐震性他のメリットもそれなりに受けることもできます。

フォルムから考えると間取りの可能性が広がる

こちらの家は、隣地境界線に対して「斜めに」「真四角な家」を配置した家です。扇形の40坪程度の敷地で、隣地境界線に真っすぐ配置すると、自然とL型の家になってしまいがちでした。そこで、

真四角なフォルムの家をどの向きに置いたら
❶ 一番綺麗な景色を取り込むことができるか?
❷ 一番最適な敷地利用ができるか?
❸ 無駄のない間取りになるか?

を考えた結果が、斜めの配置の家です。

建築実例をご覧頂いて、何となくお気づきの方も多いのでは?と思いますが、割合スッキリとした形状の外観・リビング周りの家が多いと思います。

これは、間取りを書き始める前に、建物のフォルムを決めてからプランニングを行うからです。

トータルプランニングの中で意図して複雑な形状にされているお宅も勿論沢山あります。

僕が好きなデザインの会社さんのお宅で、小松隼人建築設計事務所さんの自邸や、カレイドデザインさんのダンダンハウスなどがそれにあたりますが、基本的には真四角から間取りづくりを行うことをおススメします。

まとめ

家づくりのプランニングが上手な方の家は、基本的にはスッキリとした形状の家が多いです。大きな箱をくり抜いたような家、2~3個の箱を組み合わせたような家がそれで、小さな屋根が複数あるような、複雑な屋根形状の家で洗練されたお宅は少なく、そのような家は構造的にもコスパ的にも不利なので、あまりいいことがありません。

間取りさえ決まれば外観デザインはどうにでもできますのでご安心を!

と言われる設計者も結構な割合でいらっしゃいます(僕自身、複数人の設計者の口から聞いたことがあります…)が、これは同じ設計者としてNGワード。得てして、そういう設計者の方はプランニング能力が低く、その間取りを考える能力すらイマイチであることが多いのが現実なので気を付けましょう。

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    この記事を書いた人

    住宅の基本設計と営業をする人|失敗しない家づくりのコツを発信|たまに写真や日常について|職歴:地場HM(大手HM・設計事務所勤務経験有)|実績:建築150棟・内基本設計100棟|1棟1棟丁寧に家づくりをさせて頂いております|間取り相談や家づくり・住まいについてのご相談は気兼ねなくご連絡下さい。

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