こんにちは! T.Nakataです!
最近、家と土地の価格の値上がりがホントに激しいです。
特に家については、単純なインフレによる価格上昇だけでなく、断熱等級6・7が新設されたように、国主導による住宅性能の見直し、最近のハウスメーカーの「長期保証化」などにより、それに対応する価格上昇が加わって「何でこんなに短期間にこんなに高くなったの?」とビックリするくらい上がってきています。
元々、日本の住宅の性能は低過ぎたから、断熱性能が見直されるのは良い事だね!
良い事ではあります!間違いないです!
ただ、住宅コストが上昇して
住宅の建築自体を諦めよう…
という方が続出しかねない状況に危機感すら感じます。
そこで、
今まで以上に多くのノウハウ・アイデアを全力投入して、安く満足頂ける家づくりを心がける必要が出てきた…つまり、設計者のコスト管理まで含めたプランの腕の見せ所というわけです!
今回は、安く建てるためのアイデアを羅列していきますので、
こんなことに気を付ければコストを下げることができるんだ!
という発見が1つでも見つかると幸いです。
この記事は以下のような方におススメです
- 満足度を下げずに家づくりコストを少しでも下げたい方
- これから具体的に間取りづくりを始められる方
- 今提案を受けている家が予算オーバーで困っている方
では始めます!
家を安く建てるためのアイデア
家のカタチ
家のカタチはなるべくシンプルに
正方形の家が一番外壁量・屋根量が少なく、コストパフォーマンスに優れます。スッキリ・シンプルな形状の家は誤魔化しが効かないので、窓の大きさや位置を揃えるのは当然として、外観デザインには細心の注意が必要となります。
1階と2階のサイズをなるだけ合わせる
上の写真は斜線制限の関係で2階の方が少しコンパクトな形状ですが、なるだけ「総二階」になるように、1階と2階の大きさを調整しましょう。屋根・基礎のサイズが最小になり、コスパが良くなります。
屋根はシンプルな形状に
屋根の面積を最小化するイメージです。緩勾配の片流れ屋根や切妻屋根が安いです。更に言うと、片流れ屋根の方が雨樋の長さが減るので安いです。もっと言うと、破風や軒天が無い軒無しの家が初期コストだけを考えると安価です。
ひょっとしたら平屋
「平屋は高い」というイメージがあるかと思いますが、「敷地が広いなら」平屋にすることでコストカットができるケースも。
平屋ならトイレが1つでも不自由がないですし、階段(スペース)が不要になりますし、廊下を短くすることもできるなど、同じ部屋の広さで床面積をグッと減らすことも可能なので、コストを安くできるケースもあります。
また、平屋は防災面でも有利ですし、メンテナンスコストも安いので色々な視点からおススメです。
バルコニーを無しにする
リビングの延長の庭使いができるオープンバルコニーのように目的のあるバルコニーなら設けてOKですが、布団干しのためだけのベランダのような小さなバルコニーは、初期コストがかかるだけでなく、掃除が大変だったりメンテナンスコストがかかったりと、デメリットが多いことに注意が必要です。
間取りづくり(基本編)
「何となく」の窓は付けない
窓の役割は大きく「通風・採光・眺望」の3つ。
間取りが完成した時点で、1つずつ窓の機能をチェックしてみましょう。上の3つの機能のどれも期待できない窓はどんどん無くしてしまうのがコツ。最近の窓は高性能化しているかわりに割合高価であることも多く、窓を減らすことで大きくコストカットが見込めます。同時に、いくら高性能になったとは言え、「窓は壁よりも断熱性能が低い」ことにはかわりはないので、夏涼しく冬暖かい家のためにも不要な窓は無くした方が良いです。
「何となく」の扉は削減
最近の家は断熱性能が高いです。部屋を細切れにするのではなく、扉を取っ払って広々とした空間にしても、昔に比べたら
寒い…
となることは断然少なくなりました(※部屋の広さ・間取り・住宅性能による)。
間仕切りを減らすことで、部屋ごとの温度差を解消することができ、ヒートショックなどのリスクも低減することができます。
テラス扉・勝手口はつけない
勝手口はゴミの一時出し用にとても重宝しますよね!便利です! 便利ですが…意匠的にイマイチです(僕個人の意見です)。窓は高さ2.4mまでラインナップがありますが、勝手口は2.0mまで。上端を揃えることができないのも悩みの種です。窓に比べて断熱性能的にも不利ですし、窓を設けるよりも高額になることも。
「何となく」の和室は設けない
使用目的・頻度によってコストとのバランスを考えて採用の可否を考えたい和室。お子さんの寝かしつけスペースの目的だけなら階段下のちょっとしたスペースを利用しても良いですし、4.5帖の和室+押入=6帖=3坪=150~200万円の価値があるか?をよく検討しましょう。
「機械的な要素」をなるだけ減らす
この項目は、僕の個人的な考え方です。
床暖房・全館空調・タッチレス水栓・Bluetoothスピーカー・浴室テレビなどなど…機械的な要素を住宅に取り入れると便利で快適な生活が手に入りますが、電化製品はいつか壊れるもの。複雑な機能を持つものであればある程壊れるリスクが上がることを理解しつつ採用を検討しましょう。
カメラを始め、電化製品…ガジェット好きな僕だから余計に感じる部分ですが、「電化製品はいつか壊れる」ものなので、家に深く組み込んでしまうのに抵抗があります。なるだけ交換しやすいものでローテクなもの。できれば
住宅そのものの性能で代用できるなら、越したことはない。
と思います。
間取りづくり(広さ編)
「何となく〇〇帖以上」は禁止!
リビングは20帖以上欲しいです!
寝室はやっぱり8帖は欲しい!
このように、プランニングのためのヒアリングをさせて頂く時に「〇〇帖」というご要望を頂くことがあります。キチンとした根拠からのご要望なら全然良いと思いますが、
何故20帖欲しいとお思いですか?
と伺うと、
何となくです!広いに越したことはないですし!
とか、
前に見たモデルハウスが18帖で少し狭いかな~と思ったからです。
という感じで、「何となく」「フワッとした感じ」の理由であることが殆ど。
部屋の広さは、ご自身の生活スタイル・置かれる物の大きさ・量から逆算すると良いです。広さは目的ではなく結果と考えると、家の面積をコンパクトにまとめやすくなります。「狭い家が良い」というわけではなく、無駄なスペースを削り、小さく建てて広く感じる家にすることで、コストカットしながら洗練された空間を作ることができます。
5帖の子ども部屋は中途半端
子ども部屋の広さの考え方は、そのご家庭の教育方針によって大きく2つに分かれます。
子どもの自立を促したいので、なるだけ部屋の中で全て(勉強・友人を招いて遊ぶなど)ができるようにしてあげたい。
という方の場合は収納は別で6帖以上が望ましいですが、
コミュニケーション重視。勉強もリビングでさせたい。テレビを部屋に置くものちょっと…
と言う方の場合は、4.5帖くらいがベストです。いわゆる学習机を置く予定がない場合は、3.7帖くらいでも十分です。
5帖前後の部屋はどちら付かずで、実は中途半端な広さです。後者の教育方針であるなら、思い切って子ども部屋をコンパクトにまとめるのも家づくりコストをおさえるには良い手です。
1つの空間で2つ以上の機能を兼用する
床面積をコンパクトにするには、「複数の機能を1つのスペースに集約する」のも良い手段です。
例 ❶ 物干しスペース+ファミリークローク
例 ❷ プレイスペース+子ども部屋(将来の寝室)
いった感じで、部屋・スペースをまとめることができないか検討してみましょう。
必要十分な収納計画
収納はなるべくたくさん欲しいです!
これまたよくあるご要望です。確かに収納は多いに越したことはないですが、むやみやたらに収納スペースを設けてしまうと、面積がどんどん大きくなってしまいます。
何をどの場所にどのくらいの量仕舞う必要があるのか?をしっかりと把握して、適所に適量の収納計画を立てましょう。
素材・設備・その他
できるだけ「標準仕様」の設備に
それぞれの住宅会社の標準仕様の設備機器はコストパフォーマンスが最高になるように設定されています。ミドルクラスのキッチンがロークラスのキッチンよりも安価になっていることもしばしば。トータルパッケージで価格設定しているので、「標準仕様に入っている食洗機を外しても金額が下がらない」といったことも起こります。キッチン・洗面・トイレ・お風呂でこだわりが薄い設備は標準仕様をベースに考えましょう。
ユニットバスの棚・鏡を無くす
SNSの影響からか最近のトレンドではありますが、ユニットバスに付いている棚や鏡をゴソッと外される方が増えています。僅かではありますがコストダウンにもなりますし、掃除がラクになるというメリットも。
床にこだわる
一番視線が違くて面積が大きい床材にこだわることで、壁面を飾らずとも綺麗な雰囲気の空間になります。壁をクロスからタイル壁にするよりも、床材を複合フローリングから無垢床にする方が差額半額以下で済みます。
それぞれの建築会社の得意分野の家にする
普段あまり使わない素材・設備・仕様にすると、何かと割高になりますし、ミスも増えてしまいます。建築会社の得意分野の家づくりを心がけると、コスパもよくなりますし、失敗も少ないです。
A社でできることは、殆どがB社でもできます。「弊社でもできますよ」と営業マンは言うかもしれませんし、それは間違いではないのですが、得意でないことをやるとコストも高くなりますし、思わぬ失敗をしてしまうものです。 なので「それぞれの建築会社の得意な建物はどんな建物か?」を早い段階で見極めながらパートナー探しをされると良いと思います。
まとめ
色々とアイデアを羅列したので「何か難しいな…」と思われたかもしれませんが、グッと要約すると、
- 担当者の引出しの量が多いか?
- 担当者との相性が良いか?
- 建築会社の得意分野の建物がご自身の好みに近いか?
- メンテナンスコストまで含めたコストを考えているか?
この4点に注意を払って、「担当者と一緒にコスト調整をしながら(ご自身にとって)良い(合っている)家を建てる」というマインドをしっかりと持って頂くことが、安く家を建てることができる一番の近道になると思います。
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