こんにちは! T.Nakata です!
前回の投稿で、家づくりが失敗に終わることが確定してしまう「タブー」を3つご紹介しました。
この中で、個人的には ❸の【伝言ゲーム】が一番問題が大きいと思います。
家づくりの計画の中で「家づくりの要望を伝えた次の打合せ…間取りを見る」時ほどワクワクする時はないのではないでしょうか?
私たち設計者も、ファースト・プランの「プレゼンテーション」は何回…それこそ何百回と経験した今でもドキドキするものです(ホントに)。
そんなドキドキを持って提案を受けた間取りを見て、
あれ?何かいまいちピンとこないな…
この間取り、要望が全く反映されていない??
と違和感を感じられる方も、それなりな割合でいらっしゃるのではないでしょうか?
違和感が取り越し苦労なら良いのですが、変な間取りでそのまま変な家が建ってしまう…ということも実際に普通に起こり得ます。
これは、設計者の能力不足・相性が悪いこと以外では、伝言ゲームが原因であることが殆どです。
家づくりの依頼先が大きい会社であればあるほど以下のことが原因である可能性が高くなってきますので、是非参考にしてみてください!
この記事は以下のような方におススメです!
- 希望の間取り(プラン)になかなかならない方
- 担当者に間取り・プランに対するご希望を伝えるタイミングの前にある方
- これから家づくりのご計画を始められる方
それでは、始めます!
間取りのご希望を伺う人=設計者?
家づくりのご計画を始めて、住宅会社とコンタクトを取ると、殆どの場合、最初に営業マンと話をすることとなります。
家づくりの計画が進み、建築する土地が定まると、どんな家を建てたいか?ご要望を住宅会社に伝えることになります(これを、「プランヒアリング」と言います)。
ここで注意が必要です。 「プランヒアリングをしてくれる人=設計者」であるか、確認しましょう。 多くの営業マンは「文系」のケースが多く、そもそも自社の商品知識には詳しくても「建築知識」に疎い営業マンも多数居ます。
当然、「図面はよめるけれど、書くことはできない」という営業マンであることもあります。営業マンであっても優秀な設計者(プランナー)を兼任している人も一定数居ますので、その場合は営業マンによるヒアリングでも問題ありません。
因みに、私はと言うと、立場としては営業部の(注文住宅)担当部長(店長)なので基本的には営業ですが、大学で建築を学んだ後に「ハウスメーカーの住宅は営業が基本設計を行う」と知って設計ではなく営業になった、という建築系の営業です。営業と基本設計の両方を行いますので、私自身がプランヒアリングを行います(ついでに申し上げると、インテリアコーディネートなどにも深く入り込むスタイルです)。
プランヒアリングする人=設計者ではない場合、次のことが行われます。
伝言ゲーム
営業マンが、お客さまのご要望をメモし、それを設計担当者に伝えます。 真面目な営業なら「ヒアリングシートにご要望を書き込んで、設計担当者に渡す」というケースもありますし、もっと真面目な営業ならヒアリング内容をもとに、設計担当者とミーティングを重ねて伝える…という感じです。
ただ、どんなに真面目な営業であっても、設計者にお施主さまにご要望を伝えるには無理があります。
「広いLDK」「2WAYのシューズインクロークが欲しい」「4LDK」「和室は必要」「子どもは2人」「オール電化住宅が良い」「断熱には拘られている様子」 etc…
営業担当は、プランヒアリングを行うとこういったメモ書きを設計者に渡しますが…、プランニングを行う立場から申し上げるとそれで間取りを書くのは…不可能です(笑)。
正確には、その間取りへのご要望が入っている間取りを作成することは可能ですが、「そのご要望がなぜ必要なのか?」「お施主さまの志向性」が分からない中でプランニングを行うので、「お客さまの生活にとっては、むしろこっちの方が良いのでは?」といったご提案を入れることが難しいです。
まぁ…予想通りかな
うん、こうなるよね
と想像通りの間取りが出てくる…ということになります。
優れた設計者になればなる程「決まり切った間取りの聞き方はしません」。 「リビングは何帖必要ですか?」「子ども部屋は何部屋必要ですか?」「トイレはどこに欲しいですか?」といった質問です。
例えば私なら
現在、どのような生活をされていて、その生活のどこら辺を維持しつつどこら辺を改善したいですか?
と言った聞き方をします。そこから他愛のない会話を重ね、お客さまの志向性を読み取り、プランニングの「ポイント」「材料」を探していきます。
敷地の条件をもとに、「その土地の特性を生かしつつ、ご要望を最大限組み込み、新しい提案を加える」という作業を頭の中でしつつプランヒアリングを展開します。
これは、プランヒアリングを行う人=設計者でないとまずできないと思います。
「広いLDK」というご要望一つについても、LD+Kスタイル? それともLDKスタイル? 落ち着いてご飯を食べたいタイプ? 熱効率を重視されるの?そもそも何帖あればこの方に「広い」と思って頂けるの? などなど、設計者的には?マークが沢山つきます。こういった状態で、「お客さまにジャストフィットする家づくり」などできるわけがないです。
どんどん続く伝言ゲーム打合せ
上記のような伝言ゲームで出来上がった間取りづくりは、まだスタート地点に過ぎません。
次のお打合せで間取りをお施主さまにご覧頂き、その伝言ゲームで出来上がった間取りをもとに間取りの打合せをどんどん重ねて行きます。
- 設計者の間取りコンセプトを理解しないまま間取りのプレゼンをする営業マン
- こうして欲しいと間取りの変更を伝えるお施主さま
- 間取りのコンセプトを壊しながら無理やり要望を取り込み、それを設計者に伝える営業マン
- 何とか修正しようとするも、無理くり組み合わせたような間取り修正を行う設計者
- それを「要望を取り入れることができた!」と信じてお客さまに再度プレゼンする営業マン…
冗談のように感じますが、普通にこういった流れで間取りづくりが行われていることも多々あります…。
上手くいかないと感じた間取りは、どんなにそこから修正しようとしても上手くいかないもの。間取りコンセプトを壊してしまうようなご要望が出た場合は、最初から考え直した方が良い結果になることも多々あります。そういった判断を行うにも、プランヒアリングの場に設計者が同席する意味は大きいです。
まとめ
間取りのヒアリングを行ってくれる方に、この質問をしましょう。「あなたが間取りを作ってくれるのですか?」。YESの場合は、そのままご要望をヒアリングしてもらいましょう。NOの場合は…、いったんヒアリングをしてもらうのをやめてもらい「設計者の方の同席のもとで要望を聞いてもらって良いですか?」とリクエストするようにしましょう。
これだけでも、間取りで失敗するリスクを大きく減らすことができます。
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