広島市安佐南区|M様邸
敷地面積 | 166.71㎡(50.42坪)
延床面積 | 124.62㎡(37.69坪)
完成年月 | 2020年09月
森の中に住むような家をつくりたい
Mさんご夫婦から最初に伺った建物の好みは”森の中に住むような家を作りたい!”。大手ハウスメーカーのモデルハウスを事前に見学され、建物予算だけで3,000万円くらいからと言われて「とても無理」となり弊社にご相談頂きました。
お子さんが3人いらっしゃるので、子ども部屋3部屋希望、玄関にロードバイクを壁掛け、お子さんの遊具などを入れる土間収納、太陽光発電も付けたい。更に旦那さんの趣味の部屋も。確かに一見コストがかかりそうな印象でしたが、「臨機応変な間取りプランをご提案させていただいてもよろしいですか?」との質問に「全然大丈夫です!」とお答え頂けたので、多少のコストへの余裕をもってプランニングに入ることができました。
敷地の状況
新興団地・南側道路・道路幅6M・50坪。どこからどう見ても「優等生」の土地です。
このような土地は、変な飛び道具(変わった間取り)は必要なく、「敷地の特性に合わせた素直な間取り」をベースに組み立てていくのがベスト。
ただし、現状隣の土地に家が建っておらず、将来どのような配置で家が建つか予想が付かないことと、前面道路の人通りが多いので、プライバシーの確保されたお庭&LDK空間を作ることが大事になると考えました。
設計コンセプト
先述した通り、優等生の土地に対しては素直なプランニングが最適。ただし、前面道路からの視線はキッチリとカットしてプライバシーの守られた空間づくりを行います。
地窓を用いて、屋内から庭を望むことはできるけれど、
道路からは内部を覗くことができないような工夫を取り入れています。この地窓の部分には、こだわりのイロハモミジを植える予定で、キッチンから季節を感じる景色を望むことができます。
まだ家が建っていない隣地側には、窓が全くない「綺麗な壁」を設けました。こちら側は西側にあたり「強い西日」をカットするのと同時に、
リビングに入って最初に正面に見える重要な壁であったりします。
初期のプレゼンの段階でご提案した内観パースですが、ダイニング部分の低い位置に小窓を設けていましたが、「必要ないよね!」とMさんのご理解を頂き、無くなりました。綺麗な壁を設けることで、壁際にソファを置くことができリビングを広く使うことができます。また、グリーンや小物を主役とするインテリアを作ることもできます。このようにM邸では、徹底的にこだわりぬいた窓計画が特徴の家づくりを目指しました。
外観デザイン
旦那さんの言葉をお借りするとパンチの効いた外観デザインです。斜めの屋根に斜めの袖壁を組み合わせて、手前側の外壁面積を増やして全体のバランスを整えた箱型の家です。
側面から見ると、正面からとは全く違った表情の家で、軒もしっかりある重厚感のあるデザインです。
インテリア
何と言っても「アカシア無垢床」の木目がとても綺麗な家。中央に立つ柱にも「お子さん達の身長を刻むことができる」ようにアカシア床材を貼り付けた特別な柱。1.5帖というコンパクトなタタミスペースは、お子さんの寝かしつけスペース&イロハモミジと砂場を望むことができる地窓がある極上スペース。
玄関に入ると家族5人分の靴とロードバイクも楽々置くことができるシューズインクローク+下駄箱(下台)。家族ごと別々の6つの帰宅動線を設けた、生活しやすさにも力を入れた動線計画。
帰宅して着替えて手を洗ってリビングへ…。脱いだ服を洗濯して干して片づける裏動線を設けて家事負担をグッと減らしたプランニング。
室内干しはもちろん、道路側から見えない「東側」に設けた屋外(裏庭)にも洗濯物を干すことができます。
2階には、旦那さんこだわりの「森の部屋」(趣味部屋)を設けました。ヴィンテージ風の扉にグリーンとレンガ調の壁。藁のような天井。「森の中に住まう家」を体現したかのような、「パンチのある」部屋に。
まとめ
Mさんご夫婦は、家づくりのプロセスを心から楽しまれました。加えて土地はとっても優等生。土地のキャラクターに逆らわず、素直なプランニングに加えて、ご夫婦のご要望を取り込みつつ土地の長所をのばし、短所を消すことに終始しました(特に窓計画。加えて目隠しフェンスの高さを始めとした外構計画)。
「家づくりを楽しみたい。新居での生活を楽しみたい」という心持ちが家づくりにとって一番大事なポイントだなと私自身再認識した家づくりでした。
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