こんにちは! T.Nakataです!
家づくりの計画が進めていく上で、「失敗した!」とならないために大事なポイントがあります。
それは、家を最初の段階から平面ではなく立面で考えること。
私はかなり前から3DCGを使いながらのお打合せをすることを大事にしております。これはお施主さまとどのような家の雰囲気になっているのか?を高いレベルでリアルタイムで共有できるからです。
お施主さまは勿論、家づくりのプロである我々設計者の中にも、平面図を見て立面をイメージできない方が多く居るので、モニターを見ながら3DCGで打合せを進めるのは、とても有効です。
逆に言うと、「間取りだけでは見えてこない点=失敗しがちなポイント」となります。
そう言ったポイントは、得てして住宅会社(主にハウスメーカー)の標準仕様にいつの間にか決定していて、
こうなるとは思っていなかった
となってしまうので注意が必要です。
マルッと任せとけぃ!!
と工務店に全部お任せ! という時代ならともかく、今の時代これはあり得ません(汗)
ただ、中には3DCGを使うことができない設計者の方(住宅会社)もまだまだ多くいらっしゃると思います。そういう方が担当の場合は、平面図では見えてこないポイントをある程度把握しておくと、失敗の数を減らすことができます。
ではどういった点が失敗しがちなポイントとなるのでしょうか?
この記事は以下のような方におススメです
- 家づくり計画で失敗したくない方
- 担当の設計者が3DCGで打合せしてくれない(できない)方
では始めます!
間取り(平面図)だけでは見えてこない点
扉の「高さ」
間取りをチェックする際に、開き戸か引戸か?折戸か両開き戸か?という点に気を付ける方は多いと思いますが、扉の高さに気を付ける方は少ないです。
扉の高さが天井まであるのか?どのくらいの高さなのか?揃っているのか?間取りは同じでも扉の高さがどうなっているか?で部屋の雰囲気は全然変わってきます。
窓の高さ・取付高さ
扉と同じく、どの部屋にどのくらいの大きさ(取付高さ)の窓なのか?が非常に大事です。
例えばリビングの掃出し窓。一般的にはハイサッシ(高さ2.2m)の窓にしているメーカーが多いですが、建具(扉)の高さと合わずバランスを崩す原因になりがちなのですが…、
リビングは大き目な窓にしておきますね!
リビングは明るい方が良いですもんね!
よろしくお願いします!
となりがち。しかし、
このお宅のリビング窓のように、あえて「座ってちょうどいい」高さに下げた方が正解のケースも多々あります。
座ってちょうどいい高さの窓…ダイニングもそうですね。写真の窓は、下端を1mに設定して高さ50㎝の高さの窓としました。ダイニングテーブルの高さが一般的に70㎝~75㎝くらいなので、テーブル上に小物を置いてピッタリくらいの高さ感になります。
巾木
巾木とは、壁の汚れを防いでくれたり床鳴りやたわみを抑えてくれる床と壁の間の見切り材です。上の写真では、グレーの壁には黒い巾木、白い壁のエリアには白い巾木を使い分けています。
また、巾木の高さも30㎜と通常よりも細い巾木を使って存在感を減らしています。
一般的にはこの写真のように60mmくらいの高さの巾木が一般的なので、建築会社に要望を出さないと、このサイズの巾木がいつの間にか付いてしまいがち。
シンプルモダンな雰囲気の家づくりを目指されている方は特にですが、薄い幅の巾木が付いているか確認をするようにしましょう。
また、壁紙にアクセント(色)を入れられた場合、巾木の色が悪目立ちしてしまう場合があるので、クロスを始め壁の色が決まった時点で巾木の色を確認しておくことも大事です。
設備の標準仕様&標準対応できる設備メーカー
住宅会社によって取扱いができる設備機器メーカーに制限を設けていたり、制限は設けていないものの割高になったりと様々です。また、設備機器メーカーの取り扱いはできるものの、標準仕様から外れるために欲しい機能を付けようとした瞬間に価格が爆上がり、というケースも。
「このメーカーのキッチンのこの機能が欲しい!」という具体的な項目がある場合は、取扱いが可能か?どの程度の差額が出るのか?の確認を事前に行うことをおススメします。
設備機器メーカーの殆どは、ビルダー向け商品というものを設定しています。ビルダー向け商品とは、ホームページや一般向けのカタログに記載の商品から幾つか制限やカスタマイズを設けて安価に設定している商品で、カラーバリエーションが少ない、お手入れ機能の一部が省略されている、選べる素材が少ない、などです。 ですが、ビルダー向け商品は、中クラスの設備機器を低クラス以下の商品で手に入れることができる感じなので、こだわりが強い方以外にとっては、とても良い選択肢となることは間違いないです。
スイッチ・コンセント
私も何度も記事にさせていただいているスイッチ・コンセント。平面図には出てこない部分で、ハウスメーカー任せにするとほぼ確実に失敗するポイントの一つです。
これは、人の生活スタイルによってコンセントやスイッチが必要な場所が違うためで、電気配線図を見ながら朝起きて夜寝るまでの家族の行動パターンと設置予定の家具家電のことをしっかり考え、設計者に伝えることが大事です。
報知器
これはベテランの設計者でも、結構チョンボしてしまうポイントです(そもそも気にしてない設計者が半分くらい…汗)
こちら、私もプランニングのアドバイザー的に関わらせていただいた分譲用モデルハウスのキッチンですが、折角のこだわりの木目天井に白い熱報知器が…。内装(壁・天井のクロスや素材)が決定した時点で改めて電気図をチェックして壁に取り付けるように指示をしておけば良かったのですが…。
最近では、パナソニックさんから黒い火災警報器が発売されていますので、せめてコチラに交換できたらな、とはお思います💦
枠・膳板
ここら辺まで意識できるお施主さまは殆どいらっしゃらないと思いますが、これによって全然雰囲気が変わってくるのでポイントとしてご紹介します。
1枚目の掃出し窓の写真。室内外の繋がりを少しでも強めたかったので、窓枠を左右のみ(2方枠)としました。更に通常よりも薄い(7mm程度)窓枠としたので、殆ど存在を感じません。
2枚目の掃出し窓は一般的な窓枠のおさまりの左右に加え、上にも枠がある3方枠仕上げです。巾木と一緒で、ナチュラルテイストの家であったり、可愛い雰囲気の家の場合は窓枠の存在感を強調する方が良い場面もあるので、こういった部品が想いの住まいとマッチしているか?確認するようにしましょう。
何も指摘が無いと、確認もないまま「家の雰囲気関係無しに」「住宅会社の標準仕様」で施工されてしまいがちなポイントです。
音|トイレ・上下階・隣の部屋・吹抜け
当たり前ですが、平面図(間取り)を見ても音は聞こえてきません。上下階でどの程度の音が響くのか?吹抜けの有無でも大きく変わってきますし、上下階それぞれの部屋の位置関係によっても音の聞こえ方は変わってきます。
家族の雰囲気を常に感じたいという「コミュニティ重視」の方は吹抜けを積極的に採用しましょう。ただし、トイレの直下にLDK(特にダイニングキッチン)が来ないように注意しましょう。夜勤がある方のように寝室を静かに保ちたい方はLDKの直上に寝室がなるだけ来ないように気を付けましょう。
エアコンの位置
これも結構ベテラン設計者でもやらかしてしまいガチなポイントです。
エアコンは結構な存在感があるので、キレイに保ちたい壁には出て来ないようにしたいところ。
また、外観のメインとなる面にエアコンの配管や室外機が出てしまうのはNGなので、間取りの検討と同じタイミングでエアコンの位置も検討するようにしましょう。
(外観のメインとなる面はなるだけスッキリさせたいところです)
まとめ
色々と事例を出しましたが、意外にベテランの設計者でも細かいところでチョンボをしてしまう点が多々あります。それどころか、ほぼ気にしていない…という設計者も半分は居る印象です。更に、規模が大きな会社になればなるほど、お施主さまのご希望を伺い間取りやデザインのベースを造るプランナー(前設計)、詳細図面を書く設計士(後設計)、そして色々な部品の色や照明やカーテンのご提案をするインテリアコーディネーターが分業されます。
前設計は「最終的にどのようなテイストのインテリアになるか分からないので標準仕様ベース」でご提案し、インテリアコーディネーターは前設計が設定した仕様の範囲の中で色決めをしようとする傾向があるため、かなりなケースでその会社の「標準仕様」の中での提案になりがちです。その標準仕様が皆さんそれぞれに「合った」ものかどうか?をそれぞれチェックすることが大事です。
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